続・アンフェアなプレイ
2012年7月14日 スポーツ梅雨のシーズンは、例え小さなローカル大会でも日程が不安定となり、1回戦から決勝戦までに3週間を要することもある。雨天順延、雨天中断、雨天コールドなど予定が立たない。試合日が延び過ぎて、次の大会と予定が重なることも考えられる。慣れない気候とはいえ、早く梅雨が明けてもらいと思っている。その後には、暑い暑い本格的な夏がくるのだろうか。
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強豪を自負するチームにありがちな雑なプレイである「アンフェアなプレイ」。
どこまで許容するかは、当該審判員の裁量の範囲なのだろう。
一死走者満塁。次打者の打球は前進守備の二塁手正面のゴロ。二塁手は捕球しバックホーム。送球を余裕で捕球した捕手が、一塁へ転送しようとした。
その時、三塁走者が本塁へ滑り込んできた。右足は本塁ベースに向けているが、左足は一塁へ送球するために踏み出した捕手に向けられた。
左足は、捕手には触れていない。しかし、捕手の送球は一塁への悪送球となり、打者走者はセーフ。この悪送球の間に二塁走者が一気にホームイン。
これが決勝点。
三塁走者のスライディングが、どの程度捕手の送球に影響を与えたのかは判らない。しかし、三塁走者の左足は明らかに捕手に向けられていた。
「接触があれば妨害-インターフェアランス-」で「接触がなければ成り行き」。これが、よくある意見である。
しかし、「接触が無くても妨害になる」こともあるであろうと考える。
それは、このプレイの質による。このプレイは、明らかに併殺潰しが目的である。
ルールブックでは「アンフェアなプレイ」として厳しい措置を求められている。
「なかなかインターフェアランスをコールできない」では済まされない。
【6.05打者アウト】(m)野手が、あるプレイを成し遂げるために、送球を捕えようとしているか、または送球しようとしているのを前位の走者が故意に妨害したと審判員が認めた場合。【原注】この規則は攻撃側プレーヤーによる許しがたい非スポーツマン的な行為に対するペナルティとして定められたものであって、走者が塁を得ようとしないで、併殺プレイのピポッドマンを妨害する目的で、明らかにベースラインからはずれて走るような場合は適用されるものである。
同じ大会の違うカード。
走者一塁でショートゴロ。併殺を狙いに行って、ボールは二塁ベースに入った二塁手へ。二塁手は捕球し、軽快にベースタッチして一塁へ転送、とその瞬間、一塁走者が滑り込んできた。左手は二塁ベースに届く範囲で、両足が二塁手方向へ滑り込んできた。一塁へは悪送球で併殺ならず。
これらの併殺崩しは、チーム全体で練習または指導されているプレイと考えて良いだろう。何とも情けない。
以前いた地区でも、平気で妨害を指導している名監督がいた。日頃とても良い付き合いをしてくれていたのだが、その時だけは気色張って言い争いになった。
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併殺崩しへのペナルティの歴史を紐解くと、何とも面白い。MLBのキャンプでは、いにしえの時代に「走者が打球を捕球する」練習をしていた。もちろん、メジャーリーグのキャンプで、である。走者一塁二塁でショートゴロ。二塁走者が野手の前で素手にて捕球し、そのボールを遊撃手にポーンと投げ返し、自分自身は「守備妨害でアウト」としてダッグアウトへ戻って行く。そんな練習を真面目にやっていた。
本当は併殺だったかもしれない打球を、汚い真似をして「守備妨害」だけしか適用ルールがなかった事から、アウトカウントが一個増えただけで、チャンスは残る。
何とも、守備側に不利益の残る裁定であることから、7.09(f)項が生まれた。
【7.09打者または走者の妨害】(f)走者が、明らかに併殺を行わせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。
今では当たり前の「BASEBALL RULES」の歴史は、不正、妨害、不平等、不利益などとの闘いの歴史でもある。
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強豪を自負するチームにありがちな雑なプレイである「アンフェアなプレイ」。
どこまで許容するかは、当該審判員の裁量の範囲なのだろう。
一死走者満塁。次打者の打球は前進守備の二塁手正面のゴロ。二塁手は捕球しバックホーム。送球を余裕で捕球した捕手が、一塁へ転送しようとした。
その時、三塁走者が本塁へ滑り込んできた。右足は本塁ベースに向けているが、左足は一塁へ送球するために踏み出した捕手に向けられた。
左足は、捕手には触れていない。しかし、捕手の送球は一塁への悪送球となり、打者走者はセーフ。この悪送球の間に二塁走者が一気にホームイン。
これが決勝点。
三塁走者のスライディングが、どの程度捕手の送球に影響を与えたのかは判らない。しかし、三塁走者の左足は明らかに捕手に向けられていた。
「接触があれば妨害-インターフェアランス-」で「接触がなければ成り行き」。これが、よくある意見である。
しかし、「接触が無くても妨害になる」こともあるであろうと考える。
それは、このプレイの質による。このプレイは、明らかに併殺潰しが目的である。
ルールブックでは「アンフェアなプレイ」として厳しい措置を求められている。
「なかなかインターフェアランスをコールできない」では済まされない。
【6.05打者アウト】(m)野手が、あるプレイを成し遂げるために、送球を捕えようとしているか、または送球しようとしているのを前位の走者が故意に妨害したと審判員が認めた場合。【原注】この規則は攻撃側プレーヤーによる許しがたい非スポーツマン的な行為に対するペナルティとして定められたものであって、走者が塁を得ようとしないで、併殺プレイのピポッドマンを妨害する目的で、明らかにベースラインからはずれて走るような場合は適用されるものである。
同じ大会の違うカード。
走者一塁でショートゴロ。併殺を狙いに行って、ボールは二塁ベースに入った二塁手へ。二塁手は捕球し、軽快にベースタッチして一塁へ転送、とその瞬間、一塁走者が滑り込んできた。左手は二塁ベースに届く範囲で、両足が二塁手方向へ滑り込んできた。一塁へは悪送球で併殺ならず。
これらの併殺崩しは、チーム全体で練習または指導されているプレイと考えて良いだろう。何とも情けない。
以前いた地区でも、平気で妨害を指導している名監督がいた。日頃とても良い付き合いをしてくれていたのだが、その時だけは気色張って言い争いになった。
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併殺崩しへのペナルティの歴史を紐解くと、何とも面白い。MLBのキャンプでは、いにしえの時代に「走者が打球を捕球する」練習をしていた。もちろん、メジャーリーグのキャンプで、である。走者一塁二塁でショートゴロ。二塁走者が野手の前で素手にて捕球し、そのボールを遊撃手にポーンと投げ返し、自分自身は「守備妨害でアウト」としてダッグアウトへ戻って行く。そんな練習を真面目にやっていた。
本当は併殺だったかもしれない打球を、汚い真似をして「守備妨害」だけしか適用ルールがなかった事から、アウトカウントが一個増えただけで、チャンスは残る。
何とも、守備側に不利益の残る裁定であることから、7.09(f)項が生まれた。
【7.09打者または走者の妨害】(f)走者が、明らかに併殺を行わせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。
今では当たり前の「BASEBALL RULES」の歴史は、不正、妨害、不平等、不利益などとの闘いの歴史でもある。
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