悪癖の修正
人間、染み着いた動きを変えることは容易ではない。しかし、癖は意識することで修正することができる。
癖は、それ自体が心地良いことと、生活に支障がないことから直そうとしないものである。
しかし、審判員の基本から外れた癖は、直さなくてはならない「悪癖」である。
私も、今まで色々と指摘を受けて直してきた。

例えば、右手でマスクを外し、左手に持ち換えること。そして、再び右手でマスクを被ること。これは、一試合意識して頑張れば直る。

また、ボールボーイからボールを貰うときに、マスクを使うことも悪癖であろう。今はマスクを外して両手で貰うことにしている。試合進行に協力してくれている、ボールボーイに敬意を表する意味である。これは大袈裟なことではない。下手をすると、「球審は偉い」と勘違いをして横柄な態度をとることにも成りかねないから、自分を戒める意味もある。

まだまだある。
打球が外野へ飛んだ時に、バックステップを踏む癖があった。視界を広めようとしていたのだと思うが、染み着いていて悪癖であった。
これには、苦労した。打球に合わせて前に出ることが、なかなか出来なかった。ベテラン審判員の方々に、毎回見て頂きなんとか修正ができた。

私は、良き先輩諸氏に恵まれていたと感謝している。この縁を大切にしていきたいと思っている。

コメント

nophoto
山形 太郎
2010年6月18日17:44

いつも拝見し勉強させていただいております。 今さらで恐縮なのでありますがあえて確認させて下さい。 セームタイムの時のジャッジであります。 打者走者と1塁での捕球が同時での判定はセーフは理解していますが、①アピールプレイ(タイムプレイ:外野捕球後の塁送球とランナー帰塁)②ランナー盗塁時の触塁とグラブタッグ ③ランナー本塁生還時と他塁グラブタッグ(2アウトで) 父兄審判基本中の基本を理解していないのが判りました。どうかご教授ください。

ファウルボール
2010年6月22日23:05

山形太朗様
いつもいつも熱いコメントありがとうございます。
ご質問の件ですが、「同時」に関する内容三題です。その前に、山形さんも書かれている「一塁でのフォースプレイ」についてです。一塁において打者走者の触塁と一塁手の捕球、またはボールを持っての触塁が同時の場合、判定は「セーフ」となります。つまり「同時セーフ」となります。野球規則6.05(j)には、打者をアウトとするタイミングが書かれており、それは「打者走者が一塁に触れる前」となっています。つまり、「同時」ではアウトにすることができないということです。
●野球規則【6.05】打者は次の場合アウトになる。(j)打者が第三ストライクの宣告を受けた後、またはフェアボールを打った後、(打者走者が)一塁に触れる前に、その身体または一塁に触球された場合。

これを前提として、ご質問の件に関する回答は以下のとおりです。
1.アピールプレイ:外野飛球に対して走者はハーフウェイ、飛球捕球後に塁への送球と走者の帰塁のタイミングが同時の場合(タイムプレイ)
これは、フォースプレイと同様に「同時セーフ」となります。野球規則7.10(a)には、走者をアウトとするタイミングが書かれており、「走者がリタッチする前」となっています。前問と同じく、「同時」ではアウトにできないということです。
●野球規則【7.10】次の場合、アピールがあれば、走者はアウトとなる。(a)飛球が捕らえられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁に触球された場合。
→「同時」は「リタッチをする前」よりも後なので、『同時はセーフ』である。

2.走者が盗塁してベースに触塁するタイミングと野手のタッグが同時の場合
これも、前二問と同様に「同時セーフ」となります。野球規則7.08には、走者をアウトとできる状態が書かれており、「走者が離塁しているとき」となっています。つまり、タッグとベースタッチが「同時」では、走者が離塁していないのでアウトにできないということです。
●野球規則【7.08】次の場合、走者はアウトとなる。(c)ボールインプレイで走者が塁を離れているときに触球された場合。

3.二死で、走者本塁生還と他の塁でのタッグアウト(三死)が同時の場合。
これは、前問までとは毛色が違います。野球規則4.09には、得点が記録される定義が書かれており、「イニング終了前」にホームインした場合は「得点1点」とするとされています。つまり、「スリーアウト成立=イニング終了」と同時のホームインは、得点を認められないということです。
●【4.09】得点の記録(a)三人アウトとなってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、そのつど一点が記録される。

この三題を続けて出題すると、三問目は高い確率で間違えます。この「同時三題」は非常に良い題材だと思います。我が審判塾でも使用したいと思います。ありがとうございました。

nophoto
山形 太郎
2010年6月23日18:16

ファールボール様、ご丁寧な御教授本当にありがとうございました。ルールブックの中に答えが潜んでいる事を改めて感じたところです。ところで③についてであります。他塁で3アウトが成立時と同時の本塁生還では得点成らない事は良く理解いたしました。 とすれば、他塁での触塁とタッグが同時とホーム生還がセームの場合は今回ご教授頂いたたいた(7,08)を当てはめれば得点が成る様に思うのですがいかがでしょうか? 野球ルールの複雑さ奇妙さに一寄一悠しているこのごろです。宜しくお願いいたします。

nophoto
山形 太郎
2010年6月23日18:49

大変失礼いたしました。 先の質問は無かった事として下さい。今後も宜しくお願いいたします。

ファウルボール
2010年6月23日20:02

山形様
コメントありがとうございます。
頭が混乱してきますよね。よくわかります。
このままでは、グラウンドに立つことが怖くなる困りますので、一服の清涼剤をご教授しましょう。
「グラウンドには同時はない」と考えることです。
確かにビデオ撮影などをして、1/100秒まで計測し再生して、「同時」と判定できることはあるかもしれません。
しかし、野球のジャッジは、一部を除いて(賛同していないので、あえて強調)、人間の目、審判の目が裁定を下します。
それも、短い時間で判断する必要があります。
ルールを紐解いて考えると、アウトのタイミングなどが理解できますが、実際には「同時」というタイミングは存在しないと考えることがベストです。
つまり、「早いか遅いか」です。
この二者択一をジャッジするのが、審判員であり、どちらかを判断したら、それで良いのです。
つまり、グラウンド内に「同時の概念」を持ち込む必要は無いと言うことです。

nophoto
山形 太郎
2010年6月29日18:41

前回の一服の清涼剤もありがとうございました。少し気が安らんだ気がします。
ところで、以前よりの疑問がありましたのでこの際まとめてお願いいたします。
ボークに関連する事柄です。①セットで静止時にグローブから出している指一本がフラフラ動いている ②同じく静止時にボールを保持している手がグローブの中で浮いている(グローブと接触していない)③ランナー 一三塁で三塁偽投時に軸足がプレート上空に外れた後再びプレートに着地してから一塁送球した場合。 ボークと成るかどうかの確認をお願いできればと思います。 昨季から今期初めにかけて球審、2審で目にしジャッジし兼ねていた事柄です。宜しくおねがいいたします。 

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