第一回 勉強会
私自身、チームに所属する審判員である。オフシーズンは「コーチ」の肩書きがついている。チームの選手たちにとっては、「審判員」である前に「コーチ」の位置づけなのかもしれない。前日にトレーニングメニューと時間割を作成する。練習当日は、集合1時間前に行って、テーピングが必要な選手を待っている。朝礼の後は、アップからランニングメニューの指導を行う。午後には、ブルペンに向かい投球練習をするバッテリーの後ろで、投球判定を行う。投内連係が始まれば、一塁の判定練習を行う。時折、打撃ゲージの方に足を向け、ティ打撃の手伝いなどもする。選手のモチベーションが下がってきたら、気合を入れてみたり、特別メニューでノックを受けている野手には、励ましの言葉を掛けたりもする。何とも忙しくもあり、楽しくもある。シーズンに入り審判員をやるのは、審判員が好きなこともあるが、選手たち・子供たちのために出来ることはないか考えた時に、「審判」があったのである。

何度か書いたことがあるが、息子が野球をやっていなかったら、絶対に野球の審判員はやっていなかったであろう。そもそも、リトルリーグに息子がお世話になった際に、入団の条件として「父兄の協力」があった。そのひとつが審判員であった。息子がリトルリーグの練習見学に行った際に、チームの事務局の方が「審判員はできますか」と聞いてきた。私自身、野球は好きだがプレイヤーであったわけではない。ルールは、テレビやラジオ中継から入手する情報がすべてである。どう答えようかと思案する間もなく、我が愚妻が「お父さん、審判ぐらい出来るよね」と快諾してしまった。息子がチームで大切に扱って欲しいが為の「親心」がもたらした、「災い」、いやいや「幸い」だったのであろう。
これが「審判員」との出会いである。
何も解らない状態から、始めた審判員である。仲間もいなければ、師匠もいない状態であった。一応、父兄審判員の先輩諸氏はおられたが、今思えば「それなり」であった。

今の団体に所属するようになってからも、チーム審判員の先輩は1名であった。その先輩の後ろにくっ付いて球場を渡り歩いていた。4年目からは先輩審判員が退かれ、チーム審判員はたった一人となってしまった。当然のように審判長になったのだが、ひとりではグループとは言えない。
この時が、仲間集めの起点だったのだろう。チームの父兄に声を掛け、審判員のなり手を募った。このとき、手を挙げてくれたのは3名であったが、今でも2名が継続してくれているのは心強い。
そうやって少しずつ仲間が集まり、6年目を迎えた今年は、いよいよ10名を超える大所帯となった。全体の実力も確実に底上げされてきている。これには、私の師匠や諸先輩方々の絶大なる「叱咤激励」があったことは言うまでもない。本当に感謝している。これらのご指導を有効なものとして、後進に伝えることも使命と感じている。

この使命の表現方法の一つとして、昨年からチーム内で講習会を実施するようになった。秋の新人戦の前に、それまでの事例を持ち寄って議論をしたり、実際にグラウンド上で動きの確認作業をしてみたりした。これが、経験の浅い若手審判員には好評であった。練習試合などの実戦を経験するのも重要であるが、ベテラン審判員に基本を教えてもらうのも非常に効果がある。今後、できるだけ時間を調整してでも「勉強会」をやろうということになった。他チームの有志たちにも声を掛けたいところだが、組織の締め付けが厳しくて難しいのが現状である。自分たちの技術を磨くことに、「良かれ」と思えない方々が居られるのも事実である。何とも「ややこしい組織」である。
とりあえずは、大所帯となった自チームの審判員の底上げを図ることで、色々な方々のご指導に報いようと考え、このオフシーズンからは「勉強会」を計画してみた。何をやるかは、具体的には決めていない。強いていえば「GO-STOP-GO」の反復練習程度はやろうかと考えている。
目的のひとつは、新しく参加してくれる父兄審判の方々が、スムーズに活動に参加できるようにすることである。最初は、当たり前だが「自信」はない。「ジャッジを間違ったら、選手に悪い」とか「ベンチの監督たちに怒られるのでは」などと考えてしまうものである。
それらの不安を取り除くまでいかなくても、緩和してあげることができれば良いと考えている。
ちなみに、審判メカニクスハンドブックの第三版が発行されている。審判技術や動きの基本を解りやすく書かれている一冊であり、審判員を志す方は必携の一冊である。
価格は1200円で、下記に現金書留で必要部数分の金額を送付すると、送料は連盟負担で送付してくれる。是非とも、購入されることをお勧めする。
ちなみに我がチームは、既に全員分を購入している。
【送付先】〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー8F
  全日本アマチュア野球連盟
  TEL:03-3201-1155、FAX:03-3201-0707
 ※現金封筒に金額と、住所・氏名・電話番号・部数を記載して同封して下さい。

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