ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手が栄光にたどり着いた。大の「松井ファン」を自認する私としては、何よりも嬉しいニュースであった。インターネットの試合速報で、最初の「更新ボタン」クリックが、松井のライトへの特大の先制2ランであったことに驚いた。二打席目も二死満塁の場面でセンター前へクリーンヒット。第三打席は、あわや本塁打という右中間最深部のフェンス直撃弾。この日だけで4打数3安打1本塁打6打点の大活躍で、見事MVPに輝いた。本当に素晴らしい活躍であり、日本中がこの日を待っていたようにさえ感じた。
思えば「松井秀喜」という選手が超有名人となったのは、高校三年時の夏の甲子園大会であった。
五打席連続敬遠四球。
世界広しと言えど、ベースボールの歴史がいくら長いと言えども、この記録はあり得ないであろう。
これが、松井秀喜の高校野球最後の試合となった。
一番、純粋に野球に打ち込み、汗と涙を注ぎ込み、仲間を信じてどろんこになって戦う高校野球。最後まで全力で戦うことにより、勝敗を超越した達成感と虚脱感に包まれる。一試合やる毎に勝者も作るが、敗者も作る。勝者は、次の試合があるが、敗者にはない。
高校三年生にとっては、毎試合が退部届けを忍ばせて挑むような心境であろう。全国でも最後まで勝ち続けるのは、たったの1チームしかいない。他のチームは、いつかは負けるのである。圧倒的に敗者が多いのである。それが、小学生時代から始めた「野球」の、最初のクライマックスである。
そのクライマックスの最後が、松井秀喜は五打席連続敬遠四球であった。
松井秀喜は泣くこともできなかったであろう。消化不良とか不完全燃焼などという言葉では片づけられないほどの虚無感であったであろう。
そんな松井秀樹は、長嶋茂雄の強運にも導かれ巨人に入団した。それからの長嶋茂雄との二人三脚は、今日の為にあった修行であったのではないだろうか。長嶋茂雄も、巨人時代に裏ルートでの大リーグ移籍の話があったらしい。息子の長嶋一茂は、少年期に大リーグの試合しか見ていなかったというのは有名な話である。日本の選手の名前よりも、大リーガーの選手の名前を知っていたらしい。もちろん、これも長嶋茂雄の大リーグへの思い入れがさせたことであろう。
巨人での修行の時を経て、押しも押されぬ「巨人の4番」となった時、松井秀喜は高校最後の虚無感を再度感じ始めたのではないであろうか。
それが、大リーグへの移籍であった。断腸の想いで巨人を出て、自分の夢を追うことを選択し海を渡ったが、4年目に左手首骨折の大怪我をしてからは、巨人時代からのツケが回ってきたように両膝が不調になり、メディアへの露出度もめっきりと減った。
その間に、シカゴ・ホワイトソックスで井口資仁が、セントルイス・カージナルスで田口壮が、ボストン・レッドソックスで松坂大輔が、タンパベイ・レイズの岩村明憲が、フィラデルフィア・フィリーズで井口そ田口が再びワールドシリーズへ駒を進めていた。
この頃の松井秀喜は、何を思っていたのであろうか。五打席連続敬遠四球という、バットマンにとっては、如何ともしがたい心情を知っているだけに、どのような思いであったのであろうか。
それでも前を見てコツコツと努力を積み重ね、時をじっと待ち続けるのではなく「今出来ることを、万全を期してやる」というシンプルな考え方のもと、一歩ずつ駒を進めてきたように思う。
松井秀喜の大活躍に触れ、また「野球の神様」はいるのだと思ってしまった。
思えば「松井秀喜」という選手が超有名人となったのは、高校三年時の夏の甲子園大会であった。
五打席連続敬遠四球。
世界広しと言えど、ベースボールの歴史がいくら長いと言えども、この記録はあり得ないであろう。
これが、松井秀喜の高校野球最後の試合となった。
一番、純粋に野球に打ち込み、汗と涙を注ぎ込み、仲間を信じてどろんこになって戦う高校野球。最後まで全力で戦うことにより、勝敗を超越した達成感と虚脱感に包まれる。一試合やる毎に勝者も作るが、敗者も作る。勝者は、次の試合があるが、敗者にはない。
高校三年生にとっては、毎試合が退部届けを忍ばせて挑むような心境であろう。全国でも最後まで勝ち続けるのは、たったの1チームしかいない。他のチームは、いつかは負けるのである。圧倒的に敗者が多いのである。それが、小学生時代から始めた「野球」の、最初のクライマックスである。
そのクライマックスの最後が、松井秀喜は五打席連続敬遠四球であった。
松井秀喜は泣くこともできなかったであろう。消化不良とか不完全燃焼などという言葉では片づけられないほどの虚無感であったであろう。
そんな松井秀樹は、長嶋茂雄の強運にも導かれ巨人に入団した。それからの長嶋茂雄との二人三脚は、今日の為にあった修行であったのではないだろうか。長嶋茂雄も、巨人時代に裏ルートでの大リーグ移籍の話があったらしい。息子の長嶋一茂は、少年期に大リーグの試合しか見ていなかったというのは有名な話である。日本の選手の名前よりも、大リーガーの選手の名前を知っていたらしい。もちろん、これも長嶋茂雄の大リーグへの思い入れがさせたことであろう。
巨人での修行の時を経て、押しも押されぬ「巨人の4番」となった時、松井秀喜は高校最後の虚無感を再度感じ始めたのではないであろうか。
それが、大リーグへの移籍であった。断腸の想いで巨人を出て、自分の夢を追うことを選択し海を渡ったが、4年目に左手首骨折の大怪我をしてからは、巨人時代からのツケが回ってきたように両膝が不調になり、メディアへの露出度もめっきりと減った。
その間に、シカゴ・ホワイトソックスで井口資仁が、セントルイス・カージナルスで田口壮が、ボストン・レッドソックスで松坂大輔が、タンパベイ・レイズの岩村明憲が、フィラデルフィア・フィリーズで井口そ田口が再びワールドシリーズへ駒を進めていた。
この頃の松井秀喜は、何を思っていたのであろうか。五打席連続敬遠四球という、バットマンにとっては、如何ともしがたい心情を知っているだけに、どのような思いであったのであろうか。
それでも前を見てコツコツと努力を積み重ね、時をじっと待ち続けるのではなく「今出来ることを、万全を期してやる」というシンプルな考え方のもと、一歩ずつ駒を進めてきたように思う。
松井秀喜の大活躍に触れ、また「野球の神様」はいるのだと思ってしまった。
コメント
はじめまして、僕は和歌山県在住の者です。
年齢は成人+1です。
いつも楽しく拝見させて貰っております。
僕自信に野球のプレー経験や、野球部に入っていたという事は全くないんですが、割と小さい頃から野球の審判に興味を持っていて、独自に勉強をして、高校に在学していた時は、自分達で作った草野球チームでジャッジをしたり、高校の野球系の行事では3年連続審判として出場していました。
今はジャッジをするような機会はありませんが、テレビで野球中継を見るときは、選手よりも審判のジャッジやポジショニングの方を見ています。
一つお伺いしたいんですが、僕はかつて球審をしていた時は、シザーススタンスで判定をしていました。
色んなスタンスを試してみて、最後に自分自身が1番やりやすいと感じたのがこのシザーススタンスでした。
このシザーススタンスが、アマチュアでは禁止されているという話をどこかで聞いたのですが、これは本当なんですか?
現に高校野球では、過去に一度だけシザーススタンスで球審をされている方を見ましたが、それ以降シザースでやられている方は見た事がありません。
ものすごくマニアックな感じですが、よろしければ教えて下さい。
野球経験がなく、審判をやられているとは、かなりレアな感じがしますが、実は私もそうです。真面目に野球部に所属していたのは、中学1年の冬までです。中学生は情緒不安定な世代であり、色々な誘惑に負けて寄り道をする年代なのでしょう。今、私自身が中学野球の審判や指導者の片隅に席を置いているのも、自分と同じ過ちをしてほしくないからです。曲がれば曲がったなりの人生があることも判ってはいますが、真っ直ぐだったら、どうなっていたのだろうと思うこともあります。
私が審判の道に足を突っ込んだキッカケは、息子が野球を始めたためです。ただ、息子が野球を始めたからといって、皆が審判員になるわけではありません。そこには、やはり素因があるのです。
実は私が中学生の時に、地元の高校が甲子園に初出場しました。その試合を観戦していて、球審が左手を盛んに見る動作に興味を抱き、インジケーターを購入したのです。
その時は、まさか本当に審判をやるなどとは思ってもいませんでしたが、今考えると「決まっていた道」だったのかも知れません。
さてさて、前段が長くなりました。
球審の構えに関してですが、日本の審判員は大リーグ審判の影響もあり、審判メカニクスハンドブックでは「スロット・スタンス」を紹介しています。これによりアマチュア野球では「スロット・スタンス」が推奨されてはいますが、中には「ボックス・スタンス」や「シザーズ・スタンス」の方もいるようです。あと、所属する組織によっては「スロット」のみとしている場合もあるかと思います。
なぜ「スロット」が推奨されるのでしょうか。
コースの判定は、ベースの中心と身体の中心を合わせる「ボックス」が、どのコースに対しても平均的に良く見える位置です。ただし、この姿勢は高低、特に低めの判定が難しくなります。それと、両サイドの低めが捕手がブラインドになり見えにくいのです。
そこで考えられたのが「スロット」です。打者と捕手の「すき間」に位置することで、ホームベースがすべて見えます。見えないようであれば、ポジションが悪いのです。ホームベースに対して、少し横から見ることで高低も見えるようになります。アウトコースの低めには暫く悩まされますが、それも見えるがゆえの悩みであり、経験を積んで感覚を研ぎ澄ませば、自然と見えるようになってきます。
「シザーズ・スタンス」は、頭の位置は「スロット」と同じですから、この方が楽であり、一試合やりきれるのであれば良いかと思います。ただし、先輩審判員などに事前に打診することが良いかと思います。
ただひとつ懸念されるのは、ファールボールが後方に飛んだ際に、捕手の邪魔にならずに交わすことができるかということです。
これも解決し、一試合で疲れが少なく、安定したジャッジメントができる姿勢であれば良いかと思います。