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ガッツプレイとラフプレイ
2009年10月25日 スポーツ
北海道日本ハムファイターズがクライマックス第ステージを制し日本シリーズへの出場権を勝ち取った。常勝軍団へ向けて着々と実力を付けている姿は、北海道の希望の光のように感じる。第1戦の大逆転はクライマックス史上、今後語り継がれるような凄みを感じた。安物の野球マンガでも書かれないようなターメル・スレッジ選手の「逆転サヨナラ満塁ホームラン」に、北海道のファンのみならず、日本中の野球ファンが度肝を抜かれ、腰を抜かした。野球ファンならずとも、この一撃がシリーズの趨勢を左右するだろうと瞬間的に感じたことであろう。
結果的には、あの一打が第2戦以降の流れを呼び込み、ダルビッシュ投手不在を忘れさせるような勢いでシリーズを突っ走った。
それにしても、札幌ドームの観衆がファイターズ選手に与える影響力は凄い。スレッジのホームランは、正にファンが打たせたように感じてしまった。北海道のファンも、本物のホームチームのファンの形を作りつつあるように感じている。
ファイターズがフランチャイズとして北海津に来るまでは、北海道の野球ファンは、そのほとんどが巨人ファンであった。毎日ナイター中継があるのは巨人戦だけであり、プロ野球の公式戦は一年のうち数試合しか開催されないため、必然的に巨人ファンが圧倒的となった。そこに、長島と王の人気である。そのような状況であるから、パリーグの選手などは覚えられるはずもない。今では、セリーグの選手名がなかなか出てこない。
ただし、北海道の日本ハムファンも岐路に立たされるときが来る。ファンの本物度を試される時が来る。日本ハムが北海道に移転してからの成績は、第三期黄金時代といっても過言ではない勢いがある。実際、今年の試合内容を見ていても、最後まで試合を諦めない姿勢や、全力疾走を怠らないプレイスタイル、つなぎを意識する打線や投手陣、一軍で活躍を意識して二軍で頑張る若手など、プロスポーツチームの見本となるような良い戦い方をしていた。しばらくは安心して声援を送ることができそうなチームである。当然、そのチームにファンも含まれている。チームの一員として機能しているファンの姿勢も素晴らしいと言える。
ただし、黄金時代はいつまでも続かない。V9時代の巨人を知っている私も、引退時に長嶋茂雄が語った「巨人軍は永久に不滅です」の言葉を信じた一人であった。まさか、その後セリーグが群雄割拠となるとは思いもしなかった。それでも、私は巨人を応援し続けた。江川問題の時も、桑田問題の時も、落合や清原がFA移籍した時も、巨人を信じ応援し続けた。一時は、松井秀樹や高橋由伸がいながら、中日や広島、ヤクルト、西武の4番打者を金で買ってきた。そんな時でもである。北海道に日本ハムファイターズが来なければ、私はまだ巨人ファンであったかもしれない。それとも、巨人のやり方に嫌気がさして野球ファンを辞めていたかもしれない。
本物のファンとは、いかなる時もチームを信じ、応援し続けることができることだと思う。北海道日本ハムファイターズも、いずれ苦境の時が来るであろう。その時に、ファンの資質が試されるのであろう。
そんな本物のファンを育てるのも、ファイターズの大切な仕事であろう。地元に密着する活動は地道ではあるが、大切なサービスである。野球だけをやっていれば、球場に4万人を越える観客が、入場料を払って来てはくれない。そのためにも選手・球団関係者はもとより、OBを含めて日本ハムのチームスタイルを作り上げていかなければならない。
日本ハム戦のテレビやラジオの解説を仕事としているOBも多いであろう。北海道の少年野球に力を入れている方も多い。
北海道日本ハムファイターズのチームカラーを汚すことない、解説や指導をお願いしたいものである。
駒大苫小牧出身の田中将大投手の魂の投球で第3戦は落としたが、第4戦は再び打線が爆発し、見事日本シリーズ進出となった。この第4戦で、気になるプレイがあった。7回裏、スレッジ選手のタイムリーで5-3とし、さらに一死一二塁のチャンスで糸井選手が三遊間へのゴロ。楽天遊撃手が上手く捌いて二塁へ送球し、小谷野選手が封殺された。この時、二塁手は糸井選手の足を考え、一塁への送球は諦めていたように見えた。そこへ、一塁走者の小谷野選手がスライディング。私は、思わずテレビに向かい「インターフェア」と叫んでいた。
このシーンを、テレビ解説していた岩本氏が「素晴らしいガッツあるプレイでした。ベースに向かって滑っていますから、ルールぎりぎりのプレイでした」と絶賛した。
その後で、リプレイが流れた。外野カメラから一二塁線方向を撮った映像である。
小谷野選手は、明らかに走路を外れ、二塁手がベース内側へ移動して送球しようとする位置に向かってスライディングしていた。どんなに腕を伸ばしても二塁キャンバスへ届かない位置でスライディングしたのである。
確かに二塁手は、一塁送球を諦めたようにも見えた。もっと試合内容が緊迫していたら、野村監督も抗議に出てきたかもしれない。
あのプレイを「ガッツ溢れるプレイ」と絶賛していては、北海道に本物のベースボールが
根付かない。
プロだから許されるというのは、まったく理由になっていない。プロだからこそ、子供たちへの影響力は絶大である。プロ野球選手がやったプレイを、すぐに真似をする。それが野球小僧である。
あのプレイは「ガッツあるプレイ」には見えるが、ただの「ラフプレイ」であり、インターフェア(守備妨害)である。
結果的には、あの一打が第2戦以降の流れを呼び込み、ダルビッシュ投手不在を忘れさせるような勢いでシリーズを突っ走った。
それにしても、札幌ドームの観衆がファイターズ選手に与える影響力は凄い。スレッジのホームランは、正にファンが打たせたように感じてしまった。北海道のファンも、本物のホームチームのファンの形を作りつつあるように感じている。
ファイターズがフランチャイズとして北海津に来るまでは、北海道の野球ファンは、そのほとんどが巨人ファンであった。毎日ナイター中継があるのは巨人戦だけであり、プロ野球の公式戦は一年のうち数試合しか開催されないため、必然的に巨人ファンが圧倒的となった。そこに、長島と王の人気である。そのような状況であるから、パリーグの選手などは覚えられるはずもない。今では、セリーグの選手名がなかなか出てこない。
ただし、北海道の日本ハムファンも岐路に立たされるときが来る。ファンの本物度を試される時が来る。日本ハムが北海道に移転してからの成績は、第三期黄金時代といっても過言ではない勢いがある。実際、今年の試合内容を見ていても、最後まで試合を諦めない姿勢や、全力疾走を怠らないプレイスタイル、つなぎを意識する打線や投手陣、一軍で活躍を意識して二軍で頑張る若手など、プロスポーツチームの見本となるような良い戦い方をしていた。しばらくは安心して声援を送ることができそうなチームである。当然、そのチームにファンも含まれている。チームの一員として機能しているファンの姿勢も素晴らしいと言える。
ただし、黄金時代はいつまでも続かない。V9時代の巨人を知っている私も、引退時に長嶋茂雄が語った「巨人軍は永久に不滅です」の言葉を信じた一人であった。まさか、その後セリーグが群雄割拠となるとは思いもしなかった。それでも、私は巨人を応援し続けた。江川問題の時も、桑田問題の時も、落合や清原がFA移籍した時も、巨人を信じ応援し続けた。一時は、松井秀樹や高橋由伸がいながら、中日や広島、ヤクルト、西武の4番打者を金で買ってきた。そんな時でもである。北海道に日本ハムファイターズが来なければ、私はまだ巨人ファンであったかもしれない。それとも、巨人のやり方に嫌気がさして野球ファンを辞めていたかもしれない。
本物のファンとは、いかなる時もチームを信じ、応援し続けることができることだと思う。北海道日本ハムファイターズも、いずれ苦境の時が来るであろう。その時に、ファンの資質が試されるのであろう。
そんな本物のファンを育てるのも、ファイターズの大切な仕事であろう。地元に密着する活動は地道ではあるが、大切なサービスである。野球だけをやっていれば、球場に4万人を越える観客が、入場料を払って来てはくれない。そのためにも選手・球団関係者はもとより、OBを含めて日本ハムのチームスタイルを作り上げていかなければならない。
日本ハム戦のテレビやラジオの解説を仕事としているOBも多いであろう。北海道の少年野球に力を入れている方も多い。
北海道日本ハムファイターズのチームカラーを汚すことない、解説や指導をお願いしたいものである。
駒大苫小牧出身の田中将大投手の魂の投球で第3戦は落としたが、第4戦は再び打線が爆発し、見事日本シリーズ進出となった。この第4戦で、気になるプレイがあった。7回裏、スレッジ選手のタイムリーで5-3とし、さらに一死一二塁のチャンスで糸井選手が三遊間へのゴロ。楽天遊撃手が上手く捌いて二塁へ送球し、小谷野選手が封殺された。この時、二塁手は糸井選手の足を考え、一塁への送球は諦めていたように見えた。そこへ、一塁走者の小谷野選手がスライディング。私は、思わずテレビに向かい「インターフェア」と叫んでいた。
このシーンを、テレビ解説していた岩本氏が「素晴らしいガッツあるプレイでした。ベースに向かって滑っていますから、ルールぎりぎりのプレイでした」と絶賛した。
その後で、リプレイが流れた。外野カメラから一二塁線方向を撮った映像である。
小谷野選手は、明らかに走路を外れ、二塁手がベース内側へ移動して送球しようとする位置に向かってスライディングしていた。どんなに腕を伸ばしても二塁キャンバスへ届かない位置でスライディングしたのである。
確かに二塁手は、一塁送球を諦めたようにも見えた。もっと試合内容が緊迫していたら、野村監督も抗議に出てきたかもしれない。
あのプレイを「ガッツ溢れるプレイ」と絶賛していては、北海道に本物のベースボールが
根付かない。
プロだから許されるというのは、まったく理由になっていない。プロだからこそ、子供たちへの影響力は絶大である。プロ野球選手がやったプレイを、すぐに真似をする。それが野球小僧である。
あのプレイは「ガッツあるプレイ」には見えるが、ただの「ラフプレイ」であり、インターフェア(守備妨害)である。
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