今年の夏の甲子園もベスト8が出揃いだしたようである。大会2日目から雨で2日も順延となり、スケジュールが押し気味となっているため、北海道の高校は夏休みが終わり2学期が始まってしまったようである。今年は、天候に泣かされた一年になりそうであるが、これも屋外スポーツの野球の特徴なのである。
我が連盟は、お盆休暇に恒例の大会があるため、ゆっくりと骨休みというわけにもいかないのが辛い。本来であれば実家に帰り、のんびりと高校野球観戦をしたいところであるが、大会初日は試合数も多いため手伝うこととしてるので、実質ゆっくりとできるのは1日程度しかない。あとは、渋滞と戦いながらの長旅で2日間を潰すのが盆休暇の恒例行事となっている。
たった1日しかない高校野球観戦であるが、今年の甲子園には大きな変化を感じた。
この変化とは、審判のジャッジメントが不正行為に対して毅然とペナルティを与えていることである。
何試合も見聞きしていないにも関わらず、「ボーク」「不正投球」「インターフェア」と立て続けに、私の耳に情報が舞い込んできた。
中学硬式では、よく発生する「ボーク」であるが、高校野球では珍しい。それは、フェアプレイ精神が重要視されている高校野球であるからではなく、けん制などの技術が上達することによるものと思われる。というより、高校野球では、より狡猾になるということであろう。野球の雑誌を中心にスポーツ誌全般を扱っている有名な出版社による野球専門誌ですら、「高度なけん制球」ということで「ボーク」を紹介しているぐらいである。不正ギリギリを狙うことが「高度」と扱うこと自体が変な話ではある。
「不正投球」は一時「二段モーション」が話題となり、楽天の岩隈投手や横浜の三浦投手の投球モーションが取りざたされ、その後野球界全体で見直しがなされた。レッドソックスの松坂投手なども大リーグに移籍当時は、振りかぶった際に頭の後ろでグラブを上下することを指摘され、修正する羽目になっていた。
その後は、鳴りを潜めていた感があったが、15秒ルールなるものが取り沙汰された影響なのか、「不正投球」が復活してきた。
投球モーションの大原則は、投手が投球モーションを始めたら、淀みなく、止まることなく投球を終了しなくてはならないのである。どこかで止まる動作があった時点で「不正投球」となり、走者なしの場合は「ボール」、走者がいる場合には「ボーク」となるのである。
先日の試合で、投球モーションが止まる投手に対して、インターバルの際に説明をしたことがあった。その後、そのチームの監督から説明を求められたので、「こういうモーションは不正投球ですよ」と言ったが、さっぱり判らない様子であった。「何が悪いのか」という表情である。もう一度、基礎から説明をする必要性を感じてしまった。
「インターフェア(守備妨害)」は、盗塁に対する捕手の守備行為を打者が妨害したものであった。打者は空振りをして、その余勢で打者席を出てしまい、本塁上に立ちすくんでしまったのである。捕手は、その打者を避けながら二塁へ送球したが間に合わず、盗塁は成功。このような風景は、今まで何度も見かけたプレイであったが、インターフェアランスを適用するケースはほとんどなかったように思われる。これの理由は、「打者の空振りによる余勢であり、故意ではない」との判断だったのであろう。
ルールブックには、「打者が打者席から片脚でも出て野手の守備行為を妨げたと判断した場合は守備妨害」と書かれている。一方で、「打者が空振りした余勢で、バットが投球または捕手に触れた場合は、ボールデットとして走者を投手の投球当時の塁に戻す」とある。
この二つが合体して、「打者の空振りによる余勢で打者席を出た場合でも、故意ではないのであるから妨害ではない」という「間違った常識」となっているように思われる。指導者の中には「捕手が二塁へ送球できたのだから、妨害ではない」という嘘を信じている方がいるのも事実である。
このプレイに対し、今年の甲子園では毅然と「インターフェアランス」を適用していたのを見聞きして「変化」を感じずにはいられなかった。
我が連盟は、お盆休暇に恒例の大会があるため、ゆっくりと骨休みというわけにもいかないのが辛い。本来であれば実家に帰り、のんびりと高校野球観戦をしたいところであるが、大会初日は試合数も多いため手伝うこととしてるので、実質ゆっくりとできるのは1日程度しかない。あとは、渋滞と戦いながらの長旅で2日間を潰すのが盆休暇の恒例行事となっている。
たった1日しかない高校野球観戦であるが、今年の甲子園には大きな変化を感じた。
この変化とは、審判のジャッジメントが不正行為に対して毅然とペナルティを与えていることである。
何試合も見聞きしていないにも関わらず、「ボーク」「不正投球」「インターフェア」と立て続けに、私の耳に情報が舞い込んできた。
中学硬式では、よく発生する「ボーク」であるが、高校野球では珍しい。それは、フェアプレイ精神が重要視されている高校野球であるからではなく、けん制などの技術が上達することによるものと思われる。というより、高校野球では、より狡猾になるということであろう。野球の雑誌を中心にスポーツ誌全般を扱っている有名な出版社による野球専門誌ですら、「高度なけん制球」ということで「ボーク」を紹介しているぐらいである。不正ギリギリを狙うことが「高度」と扱うこと自体が変な話ではある。
「不正投球」は一時「二段モーション」が話題となり、楽天の岩隈投手や横浜の三浦投手の投球モーションが取りざたされ、その後野球界全体で見直しがなされた。レッドソックスの松坂投手なども大リーグに移籍当時は、振りかぶった際に頭の後ろでグラブを上下することを指摘され、修正する羽目になっていた。
その後は、鳴りを潜めていた感があったが、15秒ルールなるものが取り沙汰された影響なのか、「不正投球」が復活してきた。
投球モーションの大原則は、投手が投球モーションを始めたら、淀みなく、止まることなく投球を終了しなくてはならないのである。どこかで止まる動作があった時点で「不正投球」となり、走者なしの場合は「ボール」、走者がいる場合には「ボーク」となるのである。
先日の試合で、投球モーションが止まる投手に対して、インターバルの際に説明をしたことがあった。その後、そのチームの監督から説明を求められたので、「こういうモーションは不正投球ですよ」と言ったが、さっぱり判らない様子であった。「何が悪いのか」という表情である。もう一度、基礎から説明をする必要性を感じてしまった。
「インターフェア(守備妨害)」は、盗塁に対する捕手の守備行為を打者が妨害したものであった。打者は空振りをして、その余勢で打者席を出てしまい、本塁上に立ちすくんでしまったのである。捕手は、その打者を避けながら二塁へ送球したが間に合わず、盗塁は成功。このような風景は、今まで何度も見かけたプレイであったが、インターフェアランスを適用するケースはほとんどなかったように思われる。これの理由は、「打者の空振りによる余勢であり、故意ではない」との判断だったのであろう。
ルールブックには、「打者が打者席から片脚でも出て野手の守備行為を妨げたと判断した場合は守備妨害」と書かれている。一方で、「打者が空振りした余勢で、バットが投球または捕手に触れた場合は、ボールデットとして走者を投手の投球当時の塁に戻す」とある。
この二つが合体して、「打者の空振りによる余勢で打者席を出た場合でも、故意ではないのであるから妨害ではない」という「間違った常識」となっているように思われる。指導者の中には「捕手が二塁へ送球できたのだから、妨害ではない」という嘘を信じている方がいるのも事実である。
このプレイに対し、今年の甲子園では毅然と「インターフェアランス」を適用していたのを見聞きして「変化」を感じずにはいられなかった。
コメント
ボークの厳罰化と詳細例とても勉強になりました。
ところで、サイン交換後のグローブ内でのボールをこねる仕草を見たりしますがあれはかまわないのでしょうか。
球審含めた4審判のそれぞれの位置からのボークチェック点事項は具体的にどのような動作について見ればよいのでしょうか? 宜しくお願いいたします。
ある講習会で社会人野球の大ベテランの審判員の方と話をする機会があり、その一言がキッカケになりボークコールができるようになりました。
それは、「ボークが起きた時にコールしようと思うからできないのだ。多少、間を置いてからでも良いから、コールするようにすると、間違いがなくなる」でした。
私は一度大きなミスをしました。ボークを見よう見ようとするあまりのミスでした。
左投手が走者1塁の場面で、セットが止まらず1球目を投じました。その際に、ボークコールができずに「しまった」と思いました。そして、「よーし、今度ボークがあったらコールするぞ」と力んでいました。
第二球目のモーションに投手が入り、再びセットが止まらず足が上がったため、すかさず「ボーク!!」をコールしたのですが、左投手は一塁へ牽制球を投げました。
守備側から「牽制球にセットの停止は関係ない」との抗議があり、私は変な汗が出てきました。
仕方が無いので、「先ほどの投球でセットが止まりませんでした。牽制球も止まらないため走者を騙そうとしている動作です」と説明したところ、そのチームの監督から「なるほど、合わせ技だね。二回で一個のボーク」と揶揄されました。
これは、明らかに「ボーク」を意識するあまりのミスであり、ベテラン審判員の忠告どおり「間をおいて」コールできれば防ぐことができます。
ボークは細かいところまで採用し出しますと野球になりません。
ボークを採用する際の原則は「投手が走者を騙そうとした」場合、または「明らかな不正投球」である場合に適用されます。
そのような視点から考えると、サイン交換の際にグラブ内でボールをこねる動作は問題ないかと思います。
ただし、ダルビッシュ投手などがやっている「グラブを叩く」動作は、指導対象と考えております。プロの投手は、色々とやってくれるので参ります。
ボークチェックですが、私は各ポジションでのチェック事項を次のようにしております。
球審の場合は、「セットの停止」「一・三塁へのけん制の際の足の踏み出し幅」「背後の走者に対するけん制の際に、自由な足がターンしていないか」などです。
二塁の場合も、球審とほぼ同様です。
一・三塁の場合は、背中側の塁審は投手の手の動きは見えませんので「足の動き」を観ます。投手と対峙する側の塁審は「手の動き」「セットの停止」を観ます。
あと、一度目に「ボークコール」ができなかったからと言って、それ以降の基準を変えてはいけません。一度観たら、次は余裕を持って確認できるはずですので、勇気を持ってコールすることです。
「さっきはコールしなかった」と言われたら、「今の方が酷い」と言いましょう。