国際試合

2007年12月4日
北京五輪アジア地区予選は、「星野Japan」の全勝優勝により幕を閉じた。これでようやく、日本野球も本格的なシーズンオフに入ることとなる。五輪競技としての「BASEBALL」は北京五輪が最後となることもあり、たった一つの出場権を獲るために早くから周到な事前調査が行われていたことはマスコミ等で周知されていたが、何よりもペナントレース終了後に行われる大会であることから、選手たちのモチベーションの維持が最も苦労したことであったであろうし、星野監督以下首脳陣・裏方の苦労は計り知れないことである。
昨今は大リーグに選手が進出していくようになったため、選手はもとより、マスコミやファンにも日本野球と世界観との差異に気付かされることが多くなった。日本の野球はプロ野球を頂点としてはいるものの、プレイヤーの大半が高校野球終了後に選手を辞めてしまう背景があり、決してすそ野が広いとは言い難い現状がある。そこには、世界との距離感が否めないためであり、「箱庭野球」たる所以であると考えている。
アジアの野球は、実力的に日本がリードしていた時代は「今は昔」であり、今回のアジア予選を見ていても感じることができた。特に韓国戦は、国際大会の厳しさや不可解さを痛感したことでもあった。
他の競技でもそうであるが、日韓戦は色々な意味で盛り上がる。
先日の試合では開始早々から、いやプレイボールが宣告される前から「駆け引き」があった。事前に交換されていたメンバー表から、先発投手が変更となり、野手は6人も変更となっていたのである。ルールブック上は、試合開始直前に監督同士が交換するメンバー表が「最終」となることから、星野監督の抗議もあっさりと終わったが、心中は「早速やってきたか」と気を引締めたであろう。国際大会では諸般のトラブル防止とメディア対応として、事前にメンバー表を公表するが、あくまでも大会運営上の「暫定措置」であり、ルール上の正式なメンバー表は試合開始前に行われる「メンバー交換」で明らかとなる。事前の監督会議では「事前=最終」という紳士協定を交わしていたようであるが、そこは国際大会、色々とあるのは当たり前である。
しかし韓国チームの最大の誤算は、星野監督が「男・星野」「闘将・星野」と言われた人物であり、このようなトラブルをエネルギーに変えることが最も得意な監督であったことであろう。通訳を引き連れて球審に抗議に向かい、球審の説明を受けた際の「苦笑い」が不気味に見えたのは私だけではないであろう。
韓国選手が内角球に対して身体を寄せてくる行為を「闘志」と履き違えているように感じてしまった。韓国プロ野球の三冠王が、内角球に対して「膝を突き出して」死球を得たケースが2度もあったが、あれでは「内角は苦手です。内角は打てません」と言っているようなものである。スーパースローで何度も再生されていたが、生で見ていても明確に解る行為であり、はっきり言って「見難い行為」であった。
テレビを介してさえも、見える違法行為であるから、球審にははっきりと見えていたと思うのだが、あれが国際大会の異様な雰囲気なのであろうか。あそこは、毅然としたジャッジをして欲しかったものである。ただし、私は日本を応援している側であるから、見えたのかもしれない。逆の立場であれば、「三冠王」に死球を与えた相手投手を罵倒していたかもしれない。国際大会のジャッジの難しさであろう。
アマチュア野球でも、今もなお時折見掛けるケースであるが、内角球に対して肘や膝を突き出して死球を得ようとするプレイヤーがいる。この行為は、スーパースローで再生しなくても、球審の目にははっきりと見えるものである。投手の投球が身体に当たった場合でも、「明らかな故意」であれば「ボール」を宣告される。つまり「死球」には為らないのである。

【6.08】打者は次の場合走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。(中略)
(b) 打者が打とうとしなかった投球に触れた場合。ただし、(1)バウンドしない投球が、ストライクゾーンで打者に触れたとき、(2)打者が投球を避けないでこれに触れたときは除かれる。
 バウンドしない投球がストライクゾーンで打者に触れた場合には、打者がこれを避けようとしたかどうかを問わず、すべてストライクが宣告される。 しかし、投球がストライクゾーンの外で打者に触れ、しかも打者がこれを避けようとしなかった場合には、ボールが宣告される。
【注三】 打者が投球を避けようとしたかどうかは、一に球審の判断によって決定されるものであって、投球の性質上避けることができなかったと球審が判断した場合には、避けようとした場合と同様に扱われる。

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