アピール権の消滅の時期
2011年11月28日 スポーツ コメント (1)
マツダズームズームスタジアムの「砂かぶり席」にて交流戦の開会式と開幕戦を観戦した。大相撲のような命名は、さすがの臨場感である。まるで野球少年に戻ったように、スタジアムの中でワクワクしていた。
開幕戦を終えて、交流戦の球場へ移動する。その昔、ソフトバンクホークスの前身である南海ホークスがキャンプを行っていた歴史ある球場にて他リーグとの交流戦である。
私の「審判員としての立場」も変わっているので、それはそれで楽しみである。
「郷に入りては郷に従え」のとおり、流されるままに審判配置を受ける。
球審は高校野球の審判員の方が務めるらしい。一塁はヤングリーグ、二塁はリトルシニア、三塁はボーイズリーグと所属はバラバラであるが、それにも関わらずミーティングも無しでグラウンドへ入っていくのである。何ともいい加減な感じである。新参者の私は、口を挟むことも無く、されど不安と不満を抱えたままグラウンドへ立った。他のクルーの素性も、名前さえも判らぬままである。このような状況ではプレイのジャッジはできても、まともにローテーションやカバーリングなど「審判クルー」としての総合的な役割が務まる訳は無い。
せいぜい迷惑を掛けまいと、自分の出来る限りのジャッジやカバーリング、確認作業を行うことのみ意識することとした。
試合が進むにつれ、それぞれの動きの癖や力量が見えてきた。
球審は高校野球における特別規則を含めた指導を繰り返す。投手の投球動作、捕手の捕球動作、野手の投手への声掛け方法などなど。
一塁塁審はフォースプレイがぎこちない。ルック姿勢時の視線の移動が遅れ気味で、プレイ全体を鳥瞰しているようである。本塁一塁間の打球に対する「フェアファウルの判定」では、球審の動きが間に合わないと感じ、「ファウルボール」を球審に先んじてコール。危うく「ダブルコール」となるところであった。
外野フライの判定、ライトゴロへの対応などは基本とおりであった。
二塁塁審は、走者なしの時のポジションが深い。高校野球ではよく見掛ける位置ではあるが、中学硬式クラスでは深い。ましてや新チーム(2年生以下)の試合である。通常は芝の切れ目だが、二塁手の守備位置の斜め後方2~3m程度で良いだろう。案の定、ライトゴロの際の一塁カバーが間に合わない。自分の役割と思っていなかったようではあるが。
三塁塁審は、クロックワイズの対応が出来ていない。タッグアップの確認も不十分の様である。タッグアップのアピールプレイは、何が起きたのかさえ気付いていないようではある。
お互いが違う組織から来ているため、要らない「プライド」が邪魔をしてしまい、なかなかカバーリングの意識までは回らないようである。
同じルールブックで、同じメカニクスで技術を磨いているはずなのに。
【アピールプレイの消滅の時期】
一死走者二塁三塁の場面。ライト線への浅いフライ。右翼手が前進して好捕、それを見て三塁走者と二塁走者がタッグアップしたため、右翼手はバックホーム。本塁クロスプレイは間一髪で「セーフ」の判定。本塁ベースが滑り込みで隠れた為、球審はタイムを宣告した。
守備側は「タッグアップが早い」と三塁へ送球するように指示したが、球審が「ボールデッド」と遮った。
試合再開後、投手は両手を身体の前で合わせてセットポジションをとった後、投手板を正規に外し、アピールのために三塁へ送球した。1年生の三塁手は、アピールの仕方が判らないのか、そのまま投手にボールを返球してしまった。投手は再度三塁へ送球しようとしたが、球審が「投手がセットポジションで、両手を身体の前で合せた時点でアピール権は消滅する」と説明した。
これは、高校野球の特別ルールにも無い解釈である。
アピール権は「プレイやプレイの企て」があった時点で消滅する。
では「プレイやプレイの企て」とは何か。
打者や走者をアウトとするための行為であり、ボールを持って走者にタッグをしたり、打者に対して投球したり、走者をアウトにするために別の野手に送球したりである。
偽投は含まれないが、ボークは含まれる。前者は「アウト」を獲る行為でないが、後者は「アウト」を奪う行為であり、たとえボールを投げずに「ボーク」となった場合でも適用される。
【7.10】アピールアウト
本条規定のアピールは、投手が打者への次の一球を当投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイやプレイの企てるまでみ行わなければならない。
師匠曰く「正しいことをアドバイスできる人がいないのは悲しい」。
私には、師匠も諸先輩も仲間もいる。感謝である。
開幕戦を終えて、交流戦の球場へ移動する。その昔、ソフトバンクホークスの前身である南海ホークスがキャンプを行っていた歴史ある球場にて他リーグとの交流戦である。
私の「審判員としての立場」も変わっているので、それはそれで楽しみである。
「郷に入りては郷に従え」のとおり、流されるままに審判配置を受ける。
球審は高校野球の審判員の方が務めるらしい。一塁はヤングリーグ、二塁はリトルシニア、三塁はボーイズリーグと所属はバラバラであるが、それにも関わらずミーティングも無しでグラウンドへ入っていくのである。何ともいい加減な感じである。新参者の私は、口を挟むことも無く、されど不安と不満を抱えたままグラウンドへ立った。他のクルーの素性も、名前さえも判らぬままである。このような状況ではプレイのジャッジはできても、まともにローテーションやカバーリングなど「審判クルー」としての総合的な役割が務まる訳は無い。
せいぜい迷惑を掛けまいと、自分の出来る限りのジャッジやカバーリング、確認作業を行うことのみ意識することとした。
試合が進むにつれ、それぞれの動きの癖や力量が見えてきた。
球審は高校野球における特別規則を含めた指導を繰り返す。投手の投球動作、捕手の捕球動作、野手の投手への声掛け方法などなど。
一塁塁審はフォースプレイがぎこちない。ルック姿勢時の視線の移動が遅れ気味で、プレイ全体を鳥瞰しているようである。本塁一塁間の打球に対する「フェアファウルの判定」では、球審の動きが間に合わないと感じ、「ファウルボール」を球審に先んじてコール。危うく「ダブルコール」となるところであった。
外野フライの判定、ライトゴロへの対応などは基本とおりであった。
二塁塁審は、走者なしの時のポジションが深い。高校野球ではよく見掛ける位置ではあるが、中学硬式クラスでは深い。ましてや新チーム(2年生以下)の試合である。通常は芝の切れ目だが、二塁手の守備位置の斜め後方2~3m程度で良いだろう。案の定、ライトゴロの際の一塁カバーが間に合わない。自分の役割と思っていなかったようではあるが。
三塁塁審は、クロックワイズの対応が出来ていない。タッグアップの確認も不十分の様である。タッグアップのアピールプレイは、何が起きたのかさえ気付いていないようではある。
お互いが違う組織から来ているため、要らない「プライド」が邪魔をしてしまい、なかなかカバーリングの意識までは回らないようである。
同じルールブックで、同じメカニクスで技術を磨いているはずなのに。
【アピールプレイの消滅の時期】
一死走者二塁三塁の場面。ライト線への浅いフライ。右翼手が前進して好捕、それを見て三塁走者と二塁走者がタッグアップしたため、右翼手はバックホーム。本塁クロスプレイは間一髪で「セーフ」の判定。本塁ベースが滑り込みで隠れた為、球審はタイムを宣告した。
守備側は「タッグアップが早い」と三塁へ送球するように指示したが、球審が「ボールデッド」と遮った。
試合再開後、投手は両手を身体の前で合わせてセットポジションをとった後、投手板を正規に外し、アピールのために三塁へ送球した。1年生の三塁手は、アピールの仕方が判らないのか、そのまま投手にボールを返球してしまった。投手は再度三塁へ送球しようとしたが、球審が「投手がセットポジションで、両手を身体の前で合せた時点でアピール権は消滅する」と説明した。
これは、高校野球の特別ルールにも無い解釈である。
アピール権は「プレイやプレイの企て」があった時点で消滅する。
では「プレイやプレイの企て」とは何か。
打者や走者をアウトとするための行為であり、ボールを持って走者にタッグをしたり、打者に対して投球したり、走者をアウトにするために別の野手に送球したりである。
偽投は含まれないが、ボークは含まれる。前者は「アウト」を獲る行為でないが、後者は「アウト」を奪う行為であり、たとえボールを投げずに「ボーク」となった場合でも適用される。
【7.10】アピールアウト
本条規定のアピールは、投手が打者への次の一球を当投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイやプレイの企てるまでみ行わなければならない。
師匠曰く「正しいことをアドバイスできる人がいないのは悲しい」。
私には、師匠も諸先輩も仲間もいる。感謝である。
コメント
今回の「アピール権消滅の時期」ですが
>球審が「投手がセットポジションで、両手を身体の前で合せた時点でアピール権は消滅する」と説明した。
であれば最初の送球は「ボーク」としたのでしょうか?(アマ内規 12)
でないと辻褄が合いませんが・・・
それと「再度 送球しようとしたが・・・」と有りますが、
その後の処置はどうなったのでしょうか?