審判は「石ころ」であるという逸話を耳にしたことがあるだろうか。
審判員に打球や送球が当たった場合、「石ころ」扱いしておけば面倒なことにはならない。
つまり、地面でバウンドすることと同じであるから、ボールインプレイで試合を続行できるのである。
しかし、これは「クロックワイズメカニクス」が導入され、二塁塁審がインフィールドの内野手より前方へ入るようになってからは、今まであまり目立つ活躍のなかったルールが、一躍注目されるようになった。それが、「審判員の妨害」である。
【2.44】インターフェアランス(c)審判員の妨害
(1)捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合
(2)打球が、野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員に触れた場合に起こる。
妨害が起きた場合は、ボールデッドとなる。
【6.08】打者が安全に進塁できる場合
(d)野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合。ただし、内野手(投手を除く)をいったん通過するか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイである。
通常、審判員は内野手の後方に位置する。球審も捕手の後ろに位置する。このポジショニングであれば、打球や投球・送球に対して、審判員が野手の障害になることはほとんどない。審判員にライブボール(打球、送球)が当る前に、まずは野手がプレイをするチャンスがある。野手が処理した後に、それでも野手を通過したボールが審判員に触れた場合は、ボールインプレイである。審判員が野手の障害にはなっていないのであるから、「妨害」とはならない。つまり、「守備側には不利益がない」という判断であるから、グラウンドでバウンドするのと同様の扱いとなる。要は「石ころ」扱いとなるのである。石ころに当った場合は、イレギュラー安打のように、守備側は諦めるしかない。
唯一インフィールドの野手より前方に入るのが、「走者なし、および単独三塁」以外のケースにおける二塁塁審である。内野手よりも前方に位置するのであるから、打球は内野手に到達するより前に二塁塁審を通過する。ということは、二塁塁審に触れることが考えられ、それにより内野手が通常のプレイをできない可能性が高まる。つまり、「守備側に不利益があり」という事態が発生するのである。これは、審判員が野手の後方にいて打球に触れる場合と区別する必要があり、「審判員の妨害」と処理せざるを得ない。
このプレイは審判員にボールが当った場合のレアケースと考えてよいであろう。他のケースは「審判員は石ころ」の伝説に従えば良い。
ゆえに、レアケースの処置を憶えておけば良いことになる。この際の処置は、守備妨害があった場合は「走者は進塁しない」という大原則に従い、走者はボールデッド時点の占有塁へ戻される。打者は、審判員の妨害により「アウト」を与えることが「著しく攻撃側の不利益」と考え、一塁を与える。これにより押し出される走者は進塁する。
現場でサプライズがあるたびに、野球のルールの深さを痛感させられる。自分が当事者なら、深く心に刻まれるであろう。
二塁塁審に立つ可能性は、誰にでもある。自らの「インターフェアランス」をコールできる勇気を持ちたいものである。
もちろん、ルールの再確認はグラウンドに立つための必需品である。
審判員に打球や送球が当たった場合、「石ころ」扱いしておけば面倒なことにはならない。
つまり、地面でバウンドすることと同じであるから、ボールインプレイで試合を続行できるのである。
しかし、これは「クロックワイズメカニクス」が導入され、二塁塁審がインフィールドの内野手より前方へ入るようになってからは、今まであまり目立つ活躍のなかったルールが、一躍注目されるようになった。それが、「審判員の妨害」である。
【2.44】インターフェアランス(c)審判員の妨害
(1)捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合
(2)打球が、野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員に触れた場合に起こる。
妨害が起きた場合は、ボールデッドとなる。
【6.08】打者が安全に進塁できる場合
(d)野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合。ただし、内野手(投手を除く)をいったん通過するか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイである。
通常、審判員は内野手の後方に位置する。球審も捕手の後ろに位置する。このポジショニングであれば、打球や投球・送球に対して、審判員が野手の障害になることはほとんどない。審判員にライブボール(打球、送球)が当る前に、まずは野手がプレイをするチャンスがある。野手が処理した後に、それでも野手を通過したボールが審判員に触れた場合は、ボールインプレイである。審判員が野手の障害にはなっていないのであるから、「妨害」とはならない。つまり、「守備側には不利益がない」という判断であるから、グラウンドでバウンドするのと同様の扱いとなる。要は「石ころ」扱いとなるのである。石ころに当った場合は、イレギュラー安打のように、守備側は諦めるしかない。
唯一インフィールドの野手より前方に入るのが、「走者なし、および単独三塁」以外のケースにおける二塁塁審である。内野手よりも前方に位置するのであるから、打球は内野手に到達するより前に二塁塁審を通過する。ということは、二塁塁審に触れることが考えられ、それにより内野手が通常のプレイをできない可能性が高まる。つまり、「守備側に不利益があり」という事態が発生するのである。これは、審判員が野手の後方にいて打球に触れる場合と区別する必要があり、「審判員の妨害」と処理せざるを得ない。
このプレイは審判員にボールが当った場合のレアケースと考えてよいであろう。他のケースは「審判員は石ころ」の伝説に従えば良い。
ゆえに、レアケースの処置を憶えておけば良いことになる。この際の処置は、守備妨害があった場合は「走者は進塁しない」という大原則に従い、走者はボールデッド時点の占有塁へ戻される。打者は、審判員の妨害により「アウト」を与えることが「著しく攻撃側の不利益」と考え、一塁を与える。これにより押し出される走者は進塁する。
現場でサプライズがあるたびに、野球のルールの深さを痛感させられる。自分が当事者なら、深く心に刻まれるであろう。
二塁塁審に立つ可能性は、誰にでもある。自らの「インターフェアランス」をコールできる勇気を持ちたいものである。
もちろん、ルールの再確認はグラウンドに立つための必需品である。
コメント
審判歴2年で知識がないので間違っていると思いますが 二塁審判が塁間を結ぶラインより中に入った状態で 打球が当たった場合 野手とみなされる投手の横を通過していますから 石ころという解釈はできないでしょうか?
バス中で書き込みしてますので文章に失礼がありましたらすみません
中学硬式審判をやってますので参考にさせて頂いてます
投手は投球が終われば「野手」という考え方から、このように考えられたのだと思いますが、野球規則【2.44(審判員の妨害)】には、「投手を除く野手を通過する前に審判員に触れた場合はボールデッド」とあります。つまり、投手は野手ではないということです。
また、野球規則【6.08(打者の安全進塁権)】には、「投手と野手に触れていない打球に審判員がフェア地域で触れた場合は、打者は走者になる」としています。
相反することを表現しているようですが、逆に考えて「投手や内野手が弾いた打球に、審判員が触れてもボールインプレイ」とすると理解しやすいと思います。
投手に触れずに通過した打球に対して、内野手の守備機会を妨げた場合、つまり内野手の前方で審判員がボールに触れた場合は、インターフェアランスとなります。
例え打球が審判員の足元を「かすめた」だけでも、守備妨害となります。
この時だけは「石ころ」ではありません。
「審判員は石ころ」だからと言って、不利益を被った守備側に「我慢しなさい」とはならないのです。