スリーボール ツーストライク
今年から日本野球機構(NPB)、つまりプロ野球のボールカウントのコールを、従来の「ストライク、ボール」の順から、「ボール、ストライク」に変更することを決定したようである。こんなことが大々的にニュースになるのであるから、日本のプロ野球も話題に乏しいのであろうか。このことで、一番苦労をするのは球審や選手であることには違いないが、一番混乱するのはメディアであろう。今まで、「ボールカウントは2&3です」と言っていたボールカウントが、「ボールカウントは3&2」ですとなる。これは、アナウンサーもファンも混乱するであろう。当面は、「3ボール2ストライク」を正確に伝える努力をするようである。
もちろん、この改正の背景は野球の国際化である。オリンピックやワールドベースボールクラシックなどを観戦していると、国際映像で流れてくる「SBO」の並びが違うことに気付いていた方は多いであろう。ワールドベースボールクラシックなどは2連覇をしてしまったので、否が応でも第三回大会の注目度は高まる。いつまでも、日本の野球に拘っていては、折角の二連覇も色褪せてしまう。ルールもプレイも世界基準に合わせた上で、堂々と連覇を成し遂げて欲しいものである。
高校野球では1997年から「ボール、ストライク」の順でコールしていたらしい。毎年、選抜チームが海を渡り、本場アメリカのチームと試合を行っていることから、高校野球の方がプロ野球よりも国際試合が多いことが一因なのかもしれない。そういう意味では、日本の野球草創期を牽引していた大学野球が、従来とおりの「ストライク、ボール」の順番であることは意外である。もちろん社会人野球も同様であるが、プロ野球の流れに追随することが検討されているらしい。
何とも、歯切れの悪い話である。こんなことは、さっさと統一してしまえば良いのである。日本で一応最高峰の日本野球機構(プロ野球)が決定したのであるから、他の団体も移行したら良いのである。

実は、私は既に「ボール、ストライク」の順でコールしている。審判員を始めて3年目くらいには、「格好良さそうだ」という安直な考えから、勝手に「3ボール2ストライク」とコールしていた。勿論、選手たちには不評である。打者や捕手が私の方に振り向いて、カウントを確認することが多々あった。
このカウントコールをしようと思ったキッカケは、大リーグである。審判員の面白さに惹かれていくうちに、ルールの勉強に熱が入り、それに伴ってベースボールのルーツを知る必要性が出てくる。ベースボールのルーツを探るということは、大リーグに触れることである。大リーグの歴史を紐解いていくと、ルールの起源がわかり、その基本理念を理解することとなる。この基本理念を理解していれば、色々なトラブルやレアケースに対応できるようになる。
野球では、色々なプレイが起こる。そのすべてのケースを勉強し、処置方法を考え記憶できるのであれば良いが、それは不可能である。ゆえに、基本の考え方だけを理解することで、対応していく方法しかない。これを、上手く運用して、試合をスムーズに進行・展開させることが審判員の腕なのであろう。
それには、ルールの基本と一般常識が不可欠であると思うようになった。
そういう意味では、ボールカウントのコールの順番は、「解れば良い」のレベルなのかもしれない。
選手もファンもマスコミも、勿論審判員も、すぐに馴れるであろうことは、既に実施している私は確信している。まったく心配はいらない。

コメント

nophoto
デビル
2010年1月29日10:06

本当に困惑しますね。現場から離れているお偉いさん方が決定権あるので、決めることが遅いのでしょう? 想像ですけど。。。。
ファーボールさん、高校野球はいいとしても、慣れるまで『ゆるくない』ですよね。
小学生は頭も柔らかいし、導入部分なので選手は違和感はないと思います。
社会人、大学、軟式等早く連動すればいいですね。


ファウルボール
2010年1月30日16:54

早速、プロアマ合同の規則委員会で、社会人や大学もプロと同様に「ボール先行」でカウントをコールすることとなりました。
しばらくは混乱があると、一般的には考えられていますが、私は問題ないと考えています。
それは、以前よりそのようにコールしてきて、まったく問題なく試合を進行してきたからです。
少なくとも、ここ数年で150試合以上はコールしてきていますが、まったく問題ないと考えています。
打者と捕手が、カウントを理解していれば良いのです。
どちらにしても、ボールは左手、ストライクは右手で表示することには変わりありませんから、慣れだけだと思います。
我がチームの審判部は、すでにブルペンで「ボールカウント先行」の練習を始めました。

nophoto
ストライク
2010年2月12日16:33

審判「ワンボール・ツウストライク」
捕手「ワン・ツウですか?」
打者「ツウ・ワンでしょう?」
審判「……ワンボール・ツウストライク」
監督「追い込まれているカウントだぞ」
全員「前の方が混乱しないなー」
こんな不安は出ると思います。

ファウルボール
2010年2月12日17:58

大丈夫ですよ。
私は、もう2年ほどやっていますが、選手が振り返ることがあっても、問題はありませんでした。
審判:「ワンボール・ツーストライク」
捕手:「ワン・ツウ??ですか」
と聞いてきたら
審判:「ツウ・ワン」と返してやれば良いのです。
このコールは、捕手と打者が聞こえたら問題ないでしょうから、両者に聞こえるように伝えてあげられれば良いでしょう。
大丈夫です。
すぐに慣れます。

nophoto
ストライク
2010年2月12日21:01

練習試合で
審判「先にボールを言いますがいいですか。それとも従来どおりにいたしますか」
選手「従来どうりでお願いします」
審判「もしかして軟連の大会も2011年頃からボール先行になりますよ。早く慣れたほうがいいですよ」
選手「そうなんですか…?」

ファウルボール様 審判も選手も慣れていたほうがいいかもですね。

ファウルボール
2010年2月15日20:03

ストライク様
やり出せば、すぐに審判員も選手も慣れると思います。
ただし、軟式野球がどのようにするかの情報はありません。
ルールブックは一つでも、規則運用は各団体に委ねられていますから、いきなり変わったことをやると、まずいかもしれません。
基本的には、各団体の特別規則が優先となりますので、その団体で「ボールカウントは今までどおり」としているのであれば、それに従った方が良いと思います。
私の場合は、「変わったことが好きだ」ということを、自他共に認めていたため、何とかお目玉を喰らわずにきました。
それと、我が師匠を始めとした、懐の深いベテラン審判員の方々が近くにいて、見守ってくれたのが大きかったです。
後ろ盾となってくれるのは、ありがたいです。
まあ、こんな事を書くと、「俺は、お前の保護者じゃあないぞ」と怒られるのですが・・・・・。
ただし、軟式野球も、いずれは「ボール先行」になるでしょう。それが流れであることは間違いありません。

nophoto
ストライク
2010年2月15日23:37

ファウルボールさま
いろいろな情報ありがとうございます

そうなんです。軟式野球がどのようにするかの情報はありません。

昨日も某県連本部に電話で問い合わせてみましたら
「そのような通達は着ていない」
「おそらく2月末か3月初めに何らかの通達が来ると思います」

それを待つしかありませんね。

nophoto
佐々木金男
2010年4月12日8:27

学童野球の審判の位置狭い内野ダイヤモンド内に入る(二塁審判員)どうしても納得ができません。
又、判定の発声が打者に無い為非常に分かりにくい、プロまた高校と違い
学童特に低学年野球の底辺の為もう一度考えてほしい。

ファウルボール
2010年4月20日22:15

佐々木金男様
コメントありがとうございます。
私は学童野球(少年野球)ではありませんが、リトルリーグの経験はあります。というよりも、審判員のスタートはリトルリーグでした。
リトルリーグの二塁塁審は内側に入っていたように思います。確かに、選手は小学生ですから、大人が内野内に居ると邪魔のように思います。私は、よく遊撃手や二塁手にポジションが邪魔にならないか確認したように記憶しています。ジャッジの面や、その後のメカニクスの点から考えると、内野内に居ることが圧倒的に有効といえます。つまり、走者よりも短い距離でダイヤモンドを一周できるため、判定のある位置へ素早く行くことが可能となります。
「判定の発声」とは球審のボールカウントのことでしょうか。私の意識としましては、ボールカウントは「捕手と打者」が聞こえれば良いと思っています。投手に聞こえればもっと良いでしょうが、聞こえなくても指で示せれば良いと思います。
球場全体に聞こえる必要は、まったくないと思っています。それは、硬式野球の場合は「SBO」のランプがあるからでしょう。しかし、学童野球などは「SBO」はありませんよね。そういう意味では、頑張って球場全体に聞こえるようにする必要があるかもしれませんね。
私は4球目の後にコールすることとしています。一球一球のコールは必要ないと思います。
低学年の野球に対しては、打つことを指導する意味でも、どんどんストライクをコールするのが良いと思います。小さい選手などが打席に立つと、いかにも四球狙いのように感じるケースが多々あります。そんな時こそ、勇気を持ってストライクコールをしたいものです。
なかなかできませんが。

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