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ルールブックの巻頭には野球場のスケールが示されている。そこには、ベース間の距離が「90フィート」とされており、この距離が野球のエキサイティングの源となっているのである。これが5フィート短ければ攻撃側が圧倒的に有利となり、逆に5フィート長ければ守備側は楽にアウトを稼ぐことができるであろう。この距離が、野球の面白さの起源と言っても過言ではない。投手からの本塁までの距離は変更されているが、この90フィートだけは一度も変更されていない。リトルシニアクラスから大リーグまでが、同じフィールドで同じエキサイティングを味わうことができる、不思議な距離なのである。
1845年春。ニューヨークのウォール街の銀行員であった25歳の青年が、ひとつの発明をする。青年の名は「アレキサンダー・ジョーイ・カートライト」。
この当時ベースとボールを組み合わせた娯楽は多数あったが、どれもルールに統一性がなく、人と時と処が変われば、それに適した「ルール変更」は当たり前に行なわれていた。我々の少年時代に、色々な「鬼ごっこ」があったように、ローカルルールが当たり前であったのだ。
少年時代に「BASEBALL」の起源は英国のクリケットだと教わった気がしていたが、ボールゲームの様相は様々であったようである。ニューヨークやニューイングランドでは、英国の古いゲームである「ラウンダーズ」から派生した「タウンボール」なるものがポピュラーであったし、ニューイングランドのは「マサチューセッツ・ゲーム」とも呼ばれていた。いずれも、はっきりとした目的もない「遊び」であり、スポーツというよりもレクレーションという位置付けであったのだろう。
ニューヨーク郊外のマレーヒルの牧草地で、カートライト青年は一枚の図面を仲間に示した。そこには、それまでにないボールゲームが描かれていた。
・ベース間の距離は90フィートとした四角形の角にベースを置く。
・それぞれのベースにはプレイヤーを配置する。
・外野には3人のフィールドプレイヤーを配置する。
・二塁と三塁の間には、打球がよく飛ぶことから、もう一人プレイヤーを配置する。これを「ショートストップ」と呼ぶ。
・一チームは9人とし、ゲーム前に決めた打順で打つ。
・三つのアウトで攻守交替する。
現代の野球は、この起源がそのまま受け継がれているのである。マイナーチェンジはあったが、カートライトが発案したシンプルなルールは変わっていない。この時に発案されたルールは、その秋には「オフィシャル・ルール」として認められ、ニューヨークを中心に続々とベースボール・クラブが誕生し、現代の盛況へと続いているのである。
カートライトは、どのようにして90フィートに気付いたのであろうか。なぜ「100フィート」ではなかったのであろうか。本当に不思議である。そして、この不思議でエキサイティングな「90フィート」を予想していたかのように、ベースボールの最初のオフィシャル・ルールには「審判」の必要性が謳われているのである。そこには、このように書かれている。
【ゲームの裁定はアンパイヤーに一任され、その裁定に異議を申し立てることは出来ない】
1845年春。ニューヨークのウォール街の銀行員であった25歳の青年が、ひとつの発明をする。青年の名は「アレキサンダー・ジョーイ・カートライト」。
この当時ベースとボールを組み合わせた娯楽は多数あったが、どれもルールに統一性がなく、人と時と処が変われば、それに適した「ルール変更」は当たり前に行なわれていた。我々の少年時代に、色々な「鬼ごっこ」があったように、ローカルルールが当たり前であったのだ。
少年時代に「BASEBALL」の起源は英国のクリケットだと教わった気がしていたが、ボールゲームの様相は様々であったようである。ニューヨークやニューイングランドでは、英国の古いゲームである「ラウンダーズ」から派生した「タウンボール」なるものがポピュラーであったし、ニューイングランドのは「マサチューセッツ・ゲーム」とも呼ばれていた。いずれも、はっきりとした目的もない「遊び」であり、スポーツというよりもレクレーションという位置付けであったのだろう。
ニューヨーク郊外のマレーヒルの牧草地で、カートライト青年は一枚の図面を仲間に示した。そこには、それまでにないボールゲームが描かれていた。
・ベース間の距離は90フィートとした四角形の角にベースを置く。
・それぞれのベースにはプレイヤーを配置する。
・外野には3人のフィールドプレイヤーを配置する。
・二塁と三塁の間には、打球がよく飛ぶことから、もう一人プレイヤーを配置する。これを「ショートストップ」と呼ぶ。
・一チームは9人とし、ゲーム前に決めた打順で打つ。
・三つのアウトで攻守交替する。
現代の野球は、この起源がそのまま受け継がれているのである。マイナーチェンジはあったが、カートライトが発案したシンプルなルールは変わっていない。この時に発案されたルールは、その秋には「オフィシャル・ルール」として認められ、ニューヨークを中心に続々とベースボール・クラブが誕生し、現代の盛況へと続いているのである。
カートライトは、どのようにして90フィートに気付いたのであろうか。なぜ「100フィート」ではなかったのであろうか。本当に不思議である。そして、この不思議でエキサイティングな「90フィート」を予想していたかのように、ベースボールの最初のオフィシャル・ルールには「審判」の必要性が謳われているのである。そこには、このように書かれている。
【ゲームの裁定はアンパイヤーに一任され、その裁定に異議を申し立てることは出来ない】
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