シニアの日本選手権の地区予選は終了した。
高校野球でいうと、夏の甲子園を目指す地方大会の位置付けであろうか。ただし中学シニアの場合は、その後も大会は続く。もちろんローカル大会ではあるが、スポンサーの冠がついた歴史ある大会である。
「燃え尽き症候群」なる言葉があるが、この時期の中学3年生も目標を見失い、心と身体のバランスを大きく崩す時期でもある。大好きな野球をやりたいのだが、何かが空回りをしているのであろう。傍から見ていると「身が入っていない」ようにさえ映る。特に3年間で何かしら成果を挙げた選手と、出場機会も少なく目立つ活躍も出来なかった選手では、その差は歴然であり顕著である。
周囲の大人が、色々とアドバイスをしてみても、なかなかモチベーションが上がってこないのである。要は「やる気」が起きないのであろう。頭の中では「頑張ろう」と考えていても、動きに切れが無く、身体が自分のものでないような感覚なのであろう。
実は、中学三年生はここからが大事なのである。中学シニアの選手達にとっては、アマチュア野球の一区切りである「高校野球」へのステップアップをしなくてはならない時期である。チームはメイン大会を終えて、敗れたチームは新体制へと移行する。それでも三年生のためのローカル大会を控えているため、自分達でコンディション調整をせざるを得ないのである。ここの過ごし方、気持ちのコントロールの仕方が、その後の方向性を決めてしまうケースが多い。オフシーズンまで時間があり、高校野球の入口まで半年もある時期に、気持ちが切れてしまうのは問題がある。この自覚が、本人は勿論のこと、子供達を支える親御さんたちにあるかどうかであろう。
良く耳にするのは「野球ばかりやってきたのだから、少しぐらい別のことをやったらわ」という言葉であるが、果たしてそうであろうか。高校野球であれば、または中学校のクラブ活動であれば、平日も毎日練習があるのだから、この言葉も当てはまるであろう。しかし中学シニアはほとんどのチームが土日だけの活動である。「野球ばかり」という言葉が当てはまるとは、けっして言えないであろう。
この程度のことで、燃え尽きてもらっては困るのである。
この程度のことで、目標を見失ってもらっては困るのである。
ここは大人の責任の下、子供達のネジを再度巻きなおし、残りの大会を楽しいものにしてもらうための努力を、おおいに期待するものである。
我々、審判員は知っている。春の大会と明らかに違う、成長した三年生が最後の大会にいることを。

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