ステイ

2008年7月10日
本塁上のクロスプレイは球審の見せ所である。試合がどんな展開になろうとも、この瞬間は球場全体が本塁上を注視し、ワクワク・ドキドキ感で球審のジャッジを待つのである。
球審は、走者がスコアリングポジションに達した段階で「ステイ」状態となる。つまり、本塁付近から「動かない状態」となるのである。つまり、他の三つの塁は塁審に任せて、本塁のプレイに備えるのである。安打や犠牲フライはもちろん、内野ゴロやファウルフライでもクロスプレイは発生する。それを予測し自覚するために、球審は「ステイ」状態となるのである。これから起こるであろう「野球の華・クロスプレイ」に控えて、気持ちの準備をするのである。
数年前までは、シニアでも「ステイ」のシグナルを他の塁審へ送っていた。私が審判を始めた当時は「ステイ」のシグナルを送っていたように記憶している。5年ほど前から「ステイ」のシグナルをやらなくなった。経験の浅い審判員が増えたことから、メカニズムを少しでも簡略化することが狙いであったのだろう。私も「経験の浅い」部類であったことから、この措置は歓迎する決め事であった。
しかし、ある程度経験を重ねてくると、色々な決め事が重要であることが解ってくる。「クルーの決め事」が、色々なハプニングやサプライズやトラブルに対して非常に効果的であることが解ってくるのである。その一つが「球審のステイ」であり、「二塁塁審のカウンター」である。
試合前に確認するシグナル(サイン)は、今は「インフィールドフライ」のサインぐらいであるが、一試合の中で起こる可能性や重要度から考えると「球審のステイ」や「二塁塁審のカウンター」の方が大きいであろう。この両者の大きな違いは、ルールにあるのが「インフィールドフライ」であり、ステイやカウンターは「審判の動き」、つまりメカニズムの一つであることだ。クルーが助け合い一試合を何事もなく終えるためには、審判メカニズムに対する意思統一は不可欠なのである。試合前の緊張感の中で行われるミーティング。メカニズムの確認は十分にやってやり過ぎという事はないように思うのだが、どうであろうか。

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