中学三年生

2008年5月12日
各カテゴリーによりレベルの差はある。学生野球の場合は、小学校から中学校、中学校から高校、高校から大学と進学するに従い、スピードやパワーの違いを実感するだろう。その内で、フィジカル面の大きな差を感じるのが中学野球であろう。春先のシニアチームを見ていると、新一年生は小学生そのものであるのに対し、三年生は高校球児と間違いそうな選手もいる。それだけ三年間での成長量が大きいことを物語っている。打球のスピードも、「今にも停まりそうな」当りから、恐怖さえ感じるものまで、歴然とした差がある。
ゆえに、中学生の指導は難しいであろうと思われる。
同じ種類・強度の練習を全員にさせることは危険を伴う。どうしても、主力に合わせたトレーニングメニューとなるため、非力な選手や弱小の選手にとっては苦しいだけの鍛錬になってしまう。これは、トレーニングとは呼ばないのであろう。では、同じ学年が同じメニューをやれば良いかというと、これも違う。同じ学年でも、体重が倍半分違う選手がいるからである。
成長のバロメーターは「身長」だと思われている方は多いであろうが、スポーツ選手の場合、実は「体重」管理が重要である。新しい命が誕生した時に、「身長」と「体重」のどちらが多く語られるであろうか。当然のように「体重」であるが、これは人間の成長を表すバロメーターとして重要なファクターであるからである。つまり、「体重」が増えなければ「身長」も伸びないのである。
ということは、体重別を一つの要素として選手を区分し、トレーニングメニューを考えることが理に適っているのであろう。しかし、実態はそうはなっていないのであろう。平均的なトレーニングメニューを選択すると、大きな選手は「不足」を感じ、小さな選手は「辛さ」を感じるのである。
これは少年野球から始まっており、未だに「スポ根野球」が蔓延っているようである。
北海道の少年野球のシステムには異常さを感じる。何と言っても大会数が多過ぎる。強いチームなどは、毎週土日は公式戦であり、下手をすると大会を掛け持ち状態となっているようである。
こんなチームの主力選手はたまったものではないが、そこは小学生である。大好きな野球ができるのであるから、文句も言わず、それも笑顔で頑張ってしまうのである。
これらの代償は中学時代に払わなければならなくなる。
我がシニアチームにも、強いチームから来たセンス抜群の選手やパワー満点の選手などが、肘や肩・腰などの障害を訴えることが、後を絶たない。思わず、考えてしまう。
子供達の成長に合わせた試合スケジュールやトレーニングメニューを、小中高一環で考える時が来ているように思われる。
野球人口は一時の右肩下がりから、イチローや松井、そして松坂などの大リーグでの活躍もあり横ばい傾向へと回復しているのであろう。北海道では日本ハムのフランチャイズ化とその躍進ぶりで、老若男女を問わず野球熱が高まっている。
だからこそ、少年野球や中学シニア野球は、その先の高校・大学・社会人へと続く道筋を明確に示してあげる必要を感じてしまう。
野球経験のまったくない私が、野球の審判に惹き付けられる理由は明確である。選手達の笑顔と全力のプレイに惹き付けられているのである。その笑顔が苦悩の表情に変わらないよう、選手達の心身のケアを指導・管理していくことを強く感じる。

本日の日記は、肘の障害に苛まれながらも復活を目指している、ある中学三年生に贈るものである。
しっかりと前を見つめて、目標を定めて頑張ってもらいたいと切に願う次第である。

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