アンチョコ

2008年4月21日
毎年、この時期に行われる審判講習会では、新人審判員が多数参加する。冬期間に実施される座学には参加している方々が多いだろうと思うのだが、実際にグラウンドに立ち、審判のノウハウを教授されるのは初めてであろう。
私も数年前には「新人」と呼ばれ、講習会で訳の判らぬままに一日を過ごしたのを記憶している。
実際、たった一日で理解できるほど、審判員の動きは単純ではない。アウトカウントや走者の有無などによりケーススタディを行うが、打球方向や作戦面なども加味すると、そのケースが無限であることは想像に難くはない。つまり、そのケースごとのフォーメーションを憶えようとすることは無駄ではないものの、効率的とは言えない。
ということから、いくつかのパターンに分けて技術書には記載されており、それを簡素化したアンチョコも出回っている。セミプロである社会人の審判員の方々も、アンチョコの使用を勧めるぐらいであるから、フォーメーションの難しさは奥深いのである。
私も、数年前まではアンチョコをポケットに忍ばせてゲームに出ていたことがあったが、それを使用したことは一度もない。それは、すべてのケースを記憶していたからではない。私は、今でも動きを間違うくらいであるから、本当はアンチョコに頼るべきなのであろう。
しかし、その間違いで決定的な穴を開けたこともない。それは、同僚のクルーの審判員のカバーに助けられたことが大半である。その際に、いつも考えて感じていたことは、ベテラン審判員のカバーリングには「コツ」があるということである。
その「コツ」があることに気付くのに、4年掛かってしまった。
ベテラン審判員は、もちろんフォーメーションの基礎は習得している。その上で、「究極のコツ」も知っているのである。
私が気付いたのは、まだ「コツ」の部分であり、「究極のコツ」は、なかなか習得できないでいる。
今年のテーマは、これを習得する努力をすることであろう。
ただ、私の性格やジャッジメントスタイルを考慮すると、なかなか難しい感じはするが・・・・・。
先日も、オープン戦でクルーを組ませてもらったが、細かいところまでアドバイスを頂けるのは、本当に有難い。細かいことを言われるということは、それなりに成長していたことを認めてくれたのであろう、と勝手に解釈して悦に入っている。
まあ、超プラス思考であるから、どんな誹謗中傷も「アドバイス」と受け取ってしまえるのは、本当に得な性格であるなあ、と自分ながら感心している。
自分自身の癖や弱点を指摘されて、面白くない思いをする人は多いであろう。しかし、成長するには必要なことだと私は考えている。そうでもしないと、大ベテランの「経験」という武器には敵わないのである。
次の試合のテーマは、すでに決まっている。
ひとつは、マスクの被り方。もうひとつは、捕手のパスボールの際の動き方である。
結構、細かいことではあるが、それなりに必要不可欠なことなのである。

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