昨今の野球では、試合時間の短縮が大命題のようになってきている。ベースボールの起源となっているゲームは、一日中球遊びを楽しんでいたのだが、それがスポーツとなり興行へと変化することでお金が動くようになったため、イベントとしての魅力が問題となるのであろう。比較論もある。アメリカの四大スポーツのうち、時間無制限はMLBだけである。NBA・バスケットボールもNFL・アメリカンフットボールもNHL・アイスホッケーも時間制限がある。野球のルールに時間の概念が加わったのは、いつからなのだろう。おそらく、MLBが全米ネットワークで放映されるようになってからではないだろうか。
昨日、大リーグで時間短縮に向けた、新たなルール改正があった。当面は、マイナーリーグでの試行期間を設けるようだ。幾つかある改正点のうち、二つを紹介しよう。
昨年の大改正で、8.04の俗称「20秒ルール」が「12秒」へと大きく変わったことは記憶に新しい。昨シーズンは、12秒を体感するためにブルペンにてストップウォッチで計測した記憶がある。この12秒の開始時期があいまいで、「投手がボールを受け取って、打者が打席に入り、投手に面した時」をスタートとしているから、投手のすべて動作よりも打者の動作に左右されることが多いように思われる。今年の改正は、「12秒」を「15秒」とするようである。えっ!時間短縮に逆行していると思われるだろうが、「15秒」の開始時間を「打者の準備に関わらず、投手がボールを受け取ってから」としたのである。これは、以外に大きな変更である。「3秒」プラスしてまでも変更するということは、打者の準備に時間が掛かるという裏付けを得たからなのであろう。これに対する罰則は、投手の責任であれば「ボール」、打者の責任であれば「ストライク」を宣告するのであろう(仔細未確認)。では共同責任の場合は、どうするのであろうか。一体誰が計測し、どのタイミングで、どのようにして球審に伝えるのであろうか。大相撲の場合は時間係りの審判が手を挙げて、呼び出しが立ち上がったら「いよいよ時間です」となるのだが、本部席を背にして球審が立つ野球で、どのようにやるのか甚だ疑問である。その度に、確認作業や場内説明、挙句の果てには猛抗議などがあった場合、時間短縮どころではなくなる。一試合で両投手が150球ずつ投げるとして、15分の時間延長をしてまでも、全体として時間短縮につながると考えた改正であるが、果たして上手く行くのやら。昨年までは投手側にのみ「責任と罰則」があったものが、時間短縮に打者側が寄与していないことが明らかとなったために、「責任と罰則」が打者側にも科されることとなるのである。その折衷案が問題となるように思われてならない。
二点目は、監督・コーチや内野手がマウンドに行く回数制限が厳しくなった。「1イニング中に同一投手に対して二度行った場合、投手は自動的に交替」と言うのが現行ルールであるが、これが大幅に厳しくなった。「1試合でマウンドに行く回数が4度目からは、自動的に投手交替」となったのである。これは、投手の分業制が明確になってきた現代野球では、あまり問題とならないかもしれない。よほどの打撃戦でもない限り、4度目にマウンドへ向かう時は、どのチームも確立している「継投策」のパターンに入っているからだ。アマチュア野球で、どのように適用するかは各団体で検討されるであろうが、これも時間短縮の一翼を担っているのであろう。日本のプロ野球では、投手交替時には投手コーチがマウンドへ行き、ある程度の時間を稼いでから、監督が重い腰を上げて交替を宣告することが、当たり前のようにやられてきた。テレビなどを観ていても、解説者が「リリーフ投手の肩を作るための時間稼ぎ」と笑いながら揶揄していたものである。最近は、小学生でもわかる「勝利の方程式」が確立されつつあるため、そのような茶番劇は少なくなった。しかし、昭和世代の我々にとっては、あの時間稼ぎの後に「一体、誰が出てくるのだろう」というスリルはなくなった。あの時代は、エースが勝ち試合となればリリーフに上がったものである。ダブルヘッダーで連投などは、当たり前のように行われていた時代である。あのドキドキ感を味わうための「時間稼ぎ」も、今や無用の長物となってしまったのであろう。
マイナーリーグで試される、ルールのマイナーチェンジであるが、意外な波紋を広げるようにも思われる。来年のルール改正は、どのようになるのやら。
昨日、大リーグで時間短縮に向けた、新たなルール改正があった。当面は、マイナーリーグでの試行期間を設けるようだ。幾つかある改正点のうち、二つを紹介しよう。
昨年の大改正で、8.04の俗称「20秒ルール」が「12秒」へと大きく変わったことは記憶に新しい。昨シーズンは、12秒を体感するためにブルペンにてストップウォッチで計測した記憶がある。この12秒の開始時期があいまいで、「投手がボールを受け取って、打者が打席に入り、投手に面した時」をスタートとしているから、投手のすべて動作よりも打者の動作に左右されることが多いように思われる。今年の改正は、「12秒」を「15秒」とするようである。えっ!時間短縮に逆行していると思われるだろうが、「15秒」の開始時間を「打者の準備に関わらず、投手がボールを受け取ってから」としたのである。これは、以外に大きな変更である。「3秒」プラスしてまでも変更するということは、打者の準備に時間が掛かるという裏付けを得たからなのであろう。これに対する罰則は、投手の責任であれば「ボール」、打者の責任であれば「ストライク」を宣告するのであろう(仔細未確認)。では共同責任の場合は、どうするのであろうか。一体誰が計測し、どのタイミングで、どのようにして球審に伝えるのであろうか。大相撲の場合は時間係りの審判が手を挙げて、呼び出しが立ち上がったら「いよいよ時間です」となるのだが、本部席を背にして球審が立つ野球で、どのようにやるのか甚だ疑問である。その度に、確認作業や場内説明、挙句の果てには猛抗議などがあった場合、時間短縮どころではなくなる。一試合で両投手が150球ずつ投げるとして、15分の時間延長をしてまでも、全体として時間短縮につながると考えた改正であるが、果たして上手く行くのやら。昨年までは投手側にのみ「責任と罰則」があったものが、時間短縮に打者側が寄与していないことが明らかとなったために、「責任と罰則」が打者側にも科されることとなるのである。その折衷案が問題となるように思われてならない。
二点目は、監督・コーチや内野手がマウンドに行く回数制限が厳しくなった。「1イニング中に同一投手に対して二度行った場合、投手は自動的に交替」と言うのが現行ルールであるが、これが大幅に厳しくなった。「1試合でマウンドに行く回数が4度目からは、自動的に投手交替」となったのである。これは、投手の分業制が明確になってきた現代野球では、あまり問題とならないかもしれない。よほどの打撃戦でもない限り、4度目にマウンドへ向かう時は、どのチームも確立している「継投策」のパターンに入っているからだ。アマチュア野球で、どのように適用するかは各団体で検討されるであろうが、これも時間短縮の一翼を担っているのであろう。日本のプロ野球では、投手交替時には投手コーチがマウンドへ行き、ある程度の時間を稼いでから、監督が重い腰を上げて交替を宣告することが、当たり前のようにやられてきた。テレビなどを観ていても、解説者が「リリーフ投手の肩を作るための時間稼ぎ」と笑いながら揶揄していたものである。最近は、小学生でもわかる「勝利の方程式」が確立されつつあるため、そのような茶番劇は少なくなった。しかし、昭和世代の我々にとっては、あの時間稼ぎの後に「一体、誰が出てくるのだろう」というスリルはなくなった。あの時代は、エースが勝ち試合となればリリーフに上がったものである。ダブルヘッダーで連投などは、当たり前のように行われていた時代である。あのドキドキ感を味わうための「時間稼ぎ」も、今や無用の長物となってしまったのであろう。
マイナーリーグで試される、ルールのマイナーチェンジであるが、意外な波紋を広げるようにも思われる。来年のルール改正は、どのようになるのやら。
コメント
恐らく、このケースは一塁手からトスを受けたダルビッシュ投手と走者との「カケッコ」状態となり、どちらが一塁ベースに早く到達したかを判定したのでしょうから、ライン上でフェアのジェスチャーをしたのち、それが一番見える位置である一塁ベース後ろへ駆け込んだと思われます。
結果が「際どいアウト」ですから、パンチアウトなどのジェスチャーをしたことが考えられます。走りこんで来た方向と、同方向へのパンチアウトですから、流れの中で「停まって判定」とは見ないかも知れません。
そういう意味では、メリハリをつけた判定は難しいですね。