蠢動
2008年2月26日先日の猛吹雪で、冬季練習も中止となった。国道で100台以上の車が立ち往生するほどの吹雪であるから、無理もないであろう。こんな時は、じっと我慢が一番である。除雪もほどほどに家の中で、久し振りの休日を満喫していた。春夏秋冬、一年を通して、週末になると野球に携わるようになって10年にもなる。審判業も、今年で6年目に突入した。いよいよライフワークとなりつつあるが、身体が資本のであることから、如何せん老いとも闘わなくてはならない。もっと、早く出会っていればとも思うが、これも巡り合わせてと思うようにしている。逆に、このタイミングで審判と出合ったことが、今の諸先輩や仲間の方々とのつながりを持てたと思えれば、それはそれで結構なことである。
1月に東京で行われた審判講習会には、若年の審判員が多数見られた。東京方面では、年中野球ができることから、高校生や大学生の審判員が結構いるようである。各組織の垣根がないとも聞き及んでおり、それらから経験を積む機会が圧倒的に多いのであろう。以前にも書いたが、審判員の技術は「知識に裏付けされた経験」であると考えている。知識も経験も甲乙つけ難いが、「案ずるは産むが易し」の諺のとおり、どんどん経験を積むことが知識の吸収を早め、深めていくことは間違いないように思われる。この視点から考えても、身体と時間に余裕のある若年層の審判員が実戦経験を積むことは、その吸収力の良さからも技術習得のスピードは格段であろう。如何せん、北海道では一年の半分が雪に閉ざされることから夢物語でしかないが、若年の審判員の台頭は待たれるところではある。
されど東京も、オフシーズンであることには変わりない。通年で野球は出来るが、オフシーズンではある。そんな中で、アメリカの審判学校からジムエバンス氏を講師に迎えた審判講習会が開かれたようである。ご存知のとおり、野球の審判学校は世界広しといえどもアメリカに2校あるだけである。MLB公認のハリーウェンデルステッド審判学校とジムエバンス審判学校である。ここは、国籍はもちろん性別、審判経験などは一切問われず、18歳以上であれば誰でも入学可能である。ここに入学する者の目標は、メジャーリーグの審判員を目指すものから、短期的に技術の習得を目指す者まで様々のようである。メジャーリーグを目指すためには、この学校で優秀な成績を収めた上で、学校からの推薦を勝ち取り、まずはマイナーリーグから修行が始まる。マイナーリーグと言っても、日本のプロ野球の1・2軍組織ではない。マイナーリーグは、最下位組織のルーキーリーグに始まり、ショートシーズンA、A、アドバンストA(1A)、ダブルA(2A)、トリプルA(3A)と6段階もある。この途方もない階段を一歩ずつ登った先に夢の「メジャーリーグ」があるのである。この巨大ピラミッド型組織が「大リーガーになるよりも確率が低い」と言われる所以であろう。
実は、ここに挑戦している日本人がいる。パリーグの審判員を数年勤めてから、ジムエバンス審判学校に入学し、成績優秀によりマイナーリーグに推挙され、階段を一歩ずつ歩んでいる日本人がいるのである。今年、41歳になる年齢のハンディキャップと闘いながら、今シーズンはダブルAに昇格した。
この日本人の名は「平林岳(ひらばやし・たけし)」という。是非とも、憶えておいて欲しい。近い将来、日本人審判員が、松坂投手や黒田投手の投球を判定し、打席にイチロー選手や松井選手が立つシーンを見られるかもしれない。
こんな夢を抱かせるには十分なビッグニュースであった。
世間では、いよいよ球春が蠢きだしたのかもしれない。
1月に東京で行われた審判講習会には、若年の審判員が多数見られた。東京方面では、年中野球ができることから、高校生や大学生の審判員が結構いるようである。各組織の垣根がないとも聞き及んでおり、それらから経験を積む機会が圧倒的に多いのであろう。以前にも書いたが、審判員の技術は「知識に裏付けされた経験」であると考えている。知識も経験も甲乙つけ難いが、「案ずるは産むが易し」の諺のとおり、どんどん経験を積むことが知識の吸収を早め、深めていくことは間違いないように思われる。この視点から考えても、身体と時間に余裕のある若年層の審判員が実戦経験を積むことは、その吸収力の良さからも技術習得のスピードは格段であろう。如何せん、北海道では一年の半分が雪に閉ざされることから夢物語でしかないが、若年の審判員の台頭は待たれるところではある。
されど東京も、オフシーズンであることには変わりない。通年で野球は出来るが、オフシーズンではある。そんな中で、アメリカの審判学校からジムエバンス氏を講師に迎えた審判講習会が開かれたようである。ご存知のとおり、野球の審判学校は世界広しといえどもアメリカに2校あるだけである。MLB公認のハリーウェンデルステッド審判学校とジムエバンス審判学校である。ここは、国籍はもちろん性別、審判経験などは一切問われず、18歳以上であれば誰でも入学可能である。ここに入学する者の目標は、メジャーリーグの審判員を目指すものから、短期的に技術の習得を目指す者まで様々のようである。メジャーリーグを目指すためには、この学校で優秀な成績を収めた上で、学校からの推薦を勝ち取り、まずはマイナーリーグから修行が始まる。マイナーリーグと言っても、日本のプロ野球の1・2軍組織ではない。マイナーリーグは、最下位組織のルーキーリーグに始まり、ショートシーズンA、A、アドバンストA(1A)、ダブルA(2A)、トリプルA(3A)と6段階もある。この途方もない階段を一歩ずつ登った先に夢の「メジャーリーグ」があるのである。この巨大ピラミッド型組織が「大リーガーになるよりも確率が低い」と言われる所以であろう。
実は、ここに挑戦している日本人がいる。パリーグの審判員を数年勤めてから、ジムエバンス審判学校に入学し、成績優秀によりマイナーリーグに推挙され、階段を一歩ずつ歩んでいる日本人がいるのである。今年、41歳になる年齢のハンディキャップと闘いながら、今シーズンはダブルAに昇格した。
この日本人の名は「平林岳(ひらばやし・たけし)」という。是非とも、憶えておいて欲しい。近い将来、日本人審判員が、松坂投手や黒田投手の投球を判定し、打席にイチロー選手や松井選手が立つシーンを見られるかもしれない。
こんな夢を抱かせるには十分なビッグニュースであった。
世間では、いよいよ球春が蠢きだしたのかもしれない。
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