名門の驕り

2007年11月5日
プロ野球の全日程が終了した。我が北海道日本ハムファイターズは、日本シリーズに敗れはしたものの、見事にペナントを連覇した。
よーく考えると、その凄さが判る。
今年と昨年のペナント1位は日ハムで、プレイオフを勝ち抜いたのも日ハム。一昨年はペナント1位がソフトバンクだったが、プレイオフはロッテが勝ち抜いた。その前のペナント1位もソフトバンクであったが、プレイオフは西武が勝ち抜いた。
では、セリーグはどうか。今年から始まったプレイオフ制度で、微笑んだのはペナント2位の中日であった。
つまり、プレイオフ制度になってから、ペナントを勝ち抜き、併せてプレイオフも勝ち抜いて日本シリーズに駒を進めたのは、我らが日本ハムファイターズのみである。
まして、ペナント連覇である。素晴らしい成績である。選手諸君はもちろん、ヒルマン監督を始め首脳陣、フロント、ファーム、裏方さん方々に最大限の賛辞を送りたい。

これと機を一にして、東京六大学も佳境となっていた。久々に早慶戦が盛り上がったように思われた。最後には、斉藤祐樹投手の15奪三振ショーまであり、非常に盛り上がったように思われたのは、その日まで。
実に、聞き捨てならないことが起きてしまった。
早大監督による審判批判である。
同じようなことが、今年の夏の甲子園大会でもあったのを記憶されているだろうか。
広島・広陵高校の監督が、自軍投手が投じた運命の一球の判定に対し、不服を言ったのである。確かに、終わってみれば「運命の一球」であろう。その次の投球で、逆転スリーランを打たれたのだから。
これぞ野球の醍醐味と思うのは、当事者でないからであろうが、当事者だからと言って審判の判定を批判して良いことはない。
飲んだ席で、愚痴りたいのであれば愚痴れば良いが、オフィシャルな場所で、マスコミに対して公然と不平を言うのは、「指導者」を辞めますと言っているのに等しい。
一体、学生野球の本懐はどこに行ってしまったのか。
雇われ監督だから、成績が悪ければ首になるのは仕方がないであろう。その成績とは、野球の成績であるのだから、その中には「審判の判定」も含まれるのであろう。
「審判の判定も野球のうち」と選手たちに説いているはずの監督の口から、公然と愚痴がこぼれてしまっては、こんな監督に指導を受けている選手・生徒が可哀相と思ってしまう。
名門校の監督であるから、さぞかしやカリスマ性も高いであろう。自分の指導力の不足の部分を、他人の仕業に擦り付けても、選手たちや生徒諸君は疑問にも思わないであろう。
そこには、明らかに驕りが見える。
早大監督などは、優勝を決めてから物申している。これを驕りと言わず、何とするか。
野球の世界であるから、色々なシガラミや思惑があるのは理解している。
しかし、それらもすべて「野球」というスポーツのエキスだと思わなければ、この国の野球は滅びるだけである。

ついつい興奮してしまったが、プロ野球は職業としてやっているが、学生野球はスポーツとしてやっているのである。
スポーツでは、勝ちもあれば、負けもある。それでいいではないか。
そこに、審判の??が含まれていて、何が悪いのであろうか。
早大監督も、広陵高校監督も、一度公式戦の審判員をやってみると良い。自分では完璧と思っても、万人がそうは思っていないものである。
ましてや、白黒どちらかを判定することがほとんどであるジャッジは、どちらかが喜び、どちらかがため息をつくのである。
つまり、試合に携わった人間全員が満足するジャッジは無いのである。

OB審判員の配置問題など、色々と問題はあるのであろうが、名門監督が、マスコミの前で愚痴る話ではないのではないかと、ニュースに触れて思った。

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