プレイオフ悲喜こもごも
2007年10月8日今年の秋季大会新人戦も終盤を迎えた。大会は秋の天気の気まぐれに振り回されたが、大会役員や各球団の協力の下、いよいよ決勝トーナメントまで漕ぎ着けた。しかし、決勝トーナメント進出チームが1チーム決まっていない。なんと、稀に見る混戦のブロックで5チームが同率で並んでしまったのである。
決勝トーナメントへの代表を決めるためにプレイオフとなり、日程は大幅に変更となった。審判部も当然振り回されたが、最も過酷だったのは選手達であろう。1日で最大3試合、少なくとも2試合を消化しなくてはブロック代表権が得られないのである。前日も試合を消化しているチームもあり、三連休最終日からは決勝トーナメントも始まることから、三日間で5試合を消化するチームが出てきかねない状況である。
確かに北海道の場合は、もう一月もすると初雪の便りが届くことから、日程が厳しくなるのは理解できる。また、折角プレイオフに持ち込み、決勝トーナメントに進出する可能性がでてきたのであれば、諦めきれないのも理解できる。春季全国大会の出場権を争う大会でもあるため、夏の大会並みに力が入るのである。
しかし秋季大会が始まった当初は各チームとも戦術や戦力が安定せず、選手達も3年生がいなくなったことへの不安や「自分が出場できるかも」という期待もあり、全体として手探り状態の試合内容が多かった。どのチームも他チームとの力関係が分からず、まして自チームの実力も把握していないのが実情であろうから、試合内容もどことなく不安定さを感じる事が多かった。例年、実力上位と考えられていたチームがいきなり連敗したり、全くの無印チームが破竹の連勝を繰り広げたりという展開であった。
そんな状況下で行われたワンデイプレイオフは、変則トーナメントで実施された。大会役員の尽力もあり、2球場で4試合(1回戦1試合、2回戦2試合、代表決定戦)を実施することとなり、私の番割りは代表決定戦の球審である。
いきなり緊張感が走った。第三試合まで、セルフコントロールをして過ごす事にした。緊張感を和らげる事を考え、かつ集中力を高めることに腐心した。
大先輩の審判員よりルールに関するイロハやケーススタディなどを伺いながら緊張感を和らげ、1回戦・2回戦を観戦しながら集中力を高める事となった。
代表決定戦は1点を争う好ゲームであり、私の担当した試合の中で今年のベストゲームに為り得る内容であった。私自身も集中力の高さを実感でき、動きも切れがあることが自覚できた。前日は身体が重く、自慢の発声も「声が裏返る」状態であったことを考えると、非常に良いコンディションであった。
選手達も「大切な試合」ということで集中力が高い。ただ、そのプレッシャーに飲まれているように感じた選手が数名いたことは確かである。
それにしても、両投手の小気味の良い投球に乗せられたのは確かである。私のジャッジの出来不出来は、投手のテンポやコントロール、球の切れなどに左右されることがままある。まだまだ未熟である。
メンバー交換時に立会い、両チームのキャプテンに対して「良い試合になるよう、私も精一杯やる」と宣言したことはクリアできたかなと自負している。
試合開始の挨拶の際、両軍選手に対して「全力プレイを期待します」と言った事に対して、選手達は応えてくれた、素晴らしい試合であった。
ただ、そんな気分を台無しにしてしまった、「ある一言」を除いては。
試合の結末は、サヨナラゲームであった。
先攻チームが勝ち越しチャンスを逃した直後の7回裏。先頭打者が出塁し、後続の送りバントと内野ゴロで二死三塁。ここで4番は四球を選び、すぐに盗塁し二死二三塁の場面と変わった。ここで、5番打者は追い込まれてから一二塁間へ強烈なゴロを打ったが、一塁手が回り込んで打球を止めた。しかし、わずかにお手玉したため、慌てて拾い一塁ベースへミットを伸ばす。打者走者も必死に走り、一塁ベースへ滑り込んだ。
一瞬、間があり一塁塁審の手が広がった。「セーフ」である。その瞬間、死闘に決着がついた。
両軍選手が整列し、「ナイスゲーム」と声を掛け、「ゲームセット」を宣告した。
あのプレイは、攻撃側のチーム関係者から見れば「セーフ」は当然であろう。逆に、守備側のチーム関係者から見れば「アウト」にしか見えないであろう。
では、審判から見たらどうであったのであろうか。答えは簡単明瞭である。あの時、一番判定にふさわしいポジションに居た審判員の答えが「セーフ」であるのだから、それは間違いなくセーフである。そして、それが野球のジャッジである。
野球は審判がジャッジするゲームであり、両チームの関係者が身勝手に是非を判定するゲームではない。ましてビデオ映像で判定するゲームでもない。
あのジャッジに対して、異を唱えるのであれば、頭を冷やしてから直接来て頂きたい。
私に対して「ある一言」を捨て台詞として吐いた指導者の方は、きっと分かってくださると信じている。
野球の判定の「アウト・セーフ」「ストライク・ボール」「ファウル・フェア」は、二つにひとつであり、一端下された判定は覆らないと言う事を、再度確認して頂きたい。また、試合のプレーヤーや指導者が判定した場合は「自分に不利な判定を自ら下す事はない」という事を、自覚して頂きたいものである。
折角のベストゲームが、「ベストゲーム候補」に格下げになってしまった一言であった。非常に残念である。
決勝トーナメントへの代表を決めるためにプレイオフとなり、日程は大幅に変更となった。審判部も当然振り回されたが、最も過酷だったのは選手達であろう。1日で最大3試合、少なくとも2試合を消化しなくてはブロック代表権が得られないのである。前日も試合を消化しているチームもあり、三連休最終日からは決勝トーナメントも始まることから、三日間で5試合を消化するチームが出てきかねない状況である。
確かに北海道の場合は、もう一月もすると初雪の便りが届くことから、日程が厳しくなるのは理解できる。また、折角プレイオフに持ち込み、決勝トーナメントに進出する可能性がでてきたのであれば、諦めきれないのも理解できる。春季全国大会の出場権を争う大会でもあるため、夏の大会並みに力が入るのである。
しかし秋季大会が始まった当初は各チームとも戦術や戦力が安定せず、選手達も3年生がいなくなったことへの不安や「自分が出場できるかも」という期待もあり、全体として手探り状態の試合内容が多かった。どのチームも他チームとの力関係が分からず、まして自チームの実力も把握していないのが実情であろうから、試合内容もどことなく不安定さを感じる事が多かった。例年、実力上位と考えられていたチームがいきなり連敗したり、全くの無印チームが破竹の連勝を繰り広げたりという展開であった。
そんな状況下で行われたワンデイプレイオフは、変則トーナメントで実施された。大会役員の尽力もあり、2球場で4試合(1回戦1試合、2回戦2試合、代表決定戦)を実施することとなり、私の番割りは代表決定戦の球審である。
いきなり緊張感が走った。第三試合まで、セルフコントロールをして過ごす事にした。緊張感を和らげる事を考え、かつ集中力を高めることに腐心した。
大先輩の審判員よりルールに関するイロハやケーススタディなどを伺いながら緊張感を和らげ、1回戦・2回戦を観戦しながら集中力を高める事となった。
代表決定戦は1点を争う好ゲームであり、私の担当した試合の中で今年のベストゲームに為り得る内容であった。私自身も集中力の高さを実感でき、動きも切れがあることが自覚できた。前日は身体が重く、自慢の発声も「声が裏返る」状態であったことを考えると、非常に良いコンディションであった。
選手達も「大切な試合」ということで集中力が高い。ただ、そのプレッシャーに飲まれているように感じた選手が数名いたことは確かである。
それにしても、両投手の小気味の良い投球に乗せられたのは確かである。私のジャッジの出来不出来は、投手のテンポやコントロール、球の切れなどに左右されることがままある。まだまだ未熟である。
メンバー交換時に立会い、両チームのキャプテンに対して「良い試合になるよう、私も精一杯やる」と宣言したことはクリアできたかなと自負している。
試合開始の挨拶の際、両軍選手に対して「全力プレイを期待します」と言った事に対して、選手達は応えてくれた、素晴らしい試合であった。
ただ、そんな気分を台無しにしてしまった、「ある一言」を除いては。
試合の結末は、サヨナラゲームであった。
先攻チームが勝ち越しチャンスを逃した直後の7回裏。先頭打者が出塁し、後続の送りバントと内野ゴロで二死三塁。ここで4番は四球を選び、すぐに盗塁し二死二三塁の場面と変わった。ここで、5番打者は追い込まれてから一二塁間へ強烈なゴロを打ったが、一塁手が回り込んで打球を止めた。しかし、わずかにお手玉したため、慌てて拾い一塁ベースへミットを伸ばす。打者走者も必死に走り、一塁ベースへ滑り込んだ。
一瞬、間があり一塁塁審の手が広がった。「セーフ」である。その瞬間、死闘に決着がついた。
両軍選手が整列し、「ナイスゲーム」と声を掛け、「ゲームセット」を宣告した。
あのプレイは、攻撃側のチーム関係者から見れば「セーフ」は当然であろう。逆に、守備側のチーム関係者から見れば「アウト」にしか見えないであろう。
では、審判から見たらどうであったのであろうか。答えは簡単明瞭である。あの時、一番判定にふさわしいポジションに居た審判員の答えが「セーフ」であるのだから、それは間違いなくセーフである。そして、それが野球のジャッジである。
野球は審判がジャッジするゲームであり、両チームの関係者が身勝手に是非を判定するゲームではない。ましてビデオ映像で判定するゲームでもない。
あのジャッジに対して、異を唱えるのであれば、頭を冷やしてから直接来て頂きたい。
私に対して「ある一言」を捨て台詞として吐いた指導者の方は、きっと分かってくださると信じている。
野球の判定の「アウト・セーフ」「ストライク・ボール」「ファウル・フェア」は、二つにひとつであり、一端下された判定は覆らないと言う事を、再度確認して頂きたい。また、試合のプレーヤーや指導者が判定した場合は「自分に不利な判定を自ら下す事はない」という事を、自覚して頂きたいものである。
折角のベストゲームが、「ベストゲーム候補」に格下げになってしまった一言であった。非常に残念である。
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