毅然
2007年9月12日先日、高校野球の新人戦を観戦していて、北海道の高校野球の公式戦で初めて「ボーク」を見た。
北海道の高校野球は、以前にも書いたとおりの諸般の理由により、審判員制度が特殊である。これは、一年の半分がオフシーズンである北海道の地域性が大きく関わっていると思われるが、それがゆえに閉鎖的となることもあるであろう。万国共通のはずである「Official Baseball Rules」でさえも「日本野球規則」とは一線を画すのである。そこに、野球後進地・北海道の特殊性が加わっても不思議ではない。
しかし、プロ野球では北海道日本ハムファイターズが北海道をフランチャイズに選び、駒大苫小牧高校が全国制覇を成し遂げてからというもの、俄然北海道の野球熱が熱を帯びてきたように感じている。それは、シニア野球でさえも「全国制覇」を目標として、冬季トレーニングに励む姿が当たり前になってきたことからも感じ取れる。
それでも公式戦となると、レベルの甲乙に関わらず「北海道ルール」なる見えない壁が現れる。
または「ここは日本だから、ベースボールのルールではなく、野球の規則に従おう」となるのである。
それが、北海道の高校野球では「ボークルールに甘い」と言われる素地があるように思われていた。
これが大きな転機を迎えたのが、今年の夏の甲子園である。
我らが北海道代表の駒大苫小牧高校が、試合の分水嶺となるべき場面(これは結果論である)で「ボーク」を犯した。おそらくあの投手は、あの牽制球でボークを宣告されたことは無かったのであろう。
まさに「狐につままれた」「晴天の霹靂」ような表情をし、その後明らかに落胆と不安の表情へと変わっていった。
結果はご存知のとおりである。あの事件が直接的な敗戦の要因ではないにせよ、その後のチームのミスの連鎖反応などからも、遠因・誘因になったと十分に考えられる。
さて、あのような場面を作らないために、我々審判員は何をすべきであろうか。
その答えは、北海道の投手の「甘えた投球動作」や「たるみきった牽制動作」を厳格に判定することなのであろう。
トーナメント戦で行われる大会が多い野球は、ある期間の努力の答えが「敗戦」となって出てしまうことが圧倒的に多い。「勝者」としての称号は、勝ち残った1チームにしか与えられないのであるから、他は全て敗者である。問題は、その負け方なのである。
私がまだ審判員になる前に、中学シニアのある大会(公式戦)で、「サヨナラ・ボーク」を見たことがある。投手は泣きじゃくり、野手は呆然と立ちすくむ姿を見て、「負け方」にも色々あると感じたものである。
駒大苫小牧高校が北海道野球に残した功績は大きいが、そのひとつに今回の事件が数えられると思っている。
これはあくまでも審判員である私個人の考え方であるが、あの事件をきっかけにして、北海道の技術の底上げになってくれればと思っている。
あの事件を反映したのか、先日の「ボーク」は、以前までは明らかに宣告していなかった「牽制動作」であった。
あの動作に対して、毅然と「ボーク」を宣告した審判員の勇気に拍手を送りたい。
北海道の高校野球は、以前にも書いたとおりの諸般の理由により、審判員制度が特殊である。これは、一年の半分がオフシーズンである北海道の地域性が大きく関わっていると思われるが、それがゆえに閉鎖的となることもあるであろう。万国共通のはずである「Official Baseball Rules」でさえも「日本野球規則」とは一線を画すのである。そこに、野球後進地・北海道の特殊性が加わっても不思議ではない。
しかし、プロ野球では北海道日本ハムファイターズが北海道をフランチャイズに選び、駒大苫小牧高校が全国制覇を成し遂げてからというもの、俄然北海道の野球熱が熱を帯びてきたように感じている。それは、シニア野球でさえも「全国制覇」を目標として、冬季トレーニングに励む姿が当たり前になってきたことからも感じ取れる。
それでも公式戦となると、レベルの甲乙に関わらず「北海道ルール」なる見えない壁が現れる。
または「ここは日本だから、ベースボールのルールではなく、野球の規則に従おう」となるのである。
それが、北海道の高校野球では「ボークルールに甘い」と言われる素地があるように思われていた。
これが大きな転機を迎えたのが、今年の夏の甲子園である。
我らが北海道代表の駒大苫小牧高校が、試合の分水嶺となるべき場面(これは結果論である)で「ボーク」を犯した。おそらくあの投手は、あの牽制球でボークを宣告されたことは無かったのであろう。
まさに「狐につままれた」「晴天の霹靂」ような表情をし、その後明らかに落胆と不安の表情へと変わっていった。
結果はご存知のとおりである。あの事件が直接的な敗戦の要因ではないにせよ、その後のチームのミスの連鎖反応などからも、遠因・誘因になったと十分に考えられる。
さて、あのような場面を作らないために、我々審判員は何をすべきであろうか。
その答えは、北海道の投手の「甘えた投球動作」や「たるみきった牽制動作」を厳格に判定することなのであろう。
トーナメント戦で行われる大会が多い野球は、ある期間の努力の答えが「敗戦」となって出てしまうことが圧倒的に多い。「勝者」としての称号は、勝ち残った1チームにしか与えられないのであるから、他は全て敗者である。問題は、その負け方なのである。
私がまだ審判員になる前に、中学シニアのある大会(公式戦)で、「サヨナラ・ボーク」を見たことがある。投手は泣きじゃくり、野手は呆然と立ちすくむ姿を見て、「負け方」にも色々あると感じたものである。
駒大苫小牧高校が北海道野球に残した功績は大きいが、そのひとつに今回の事件が数えられると思っている。
これはあくまでも審判員である私個人の考え方であるが、あの事件をきっかけにして、北海道の技術の底上げになってくれればと思っている。
あの事件を反映したのか、先日の「ボーク」は、以前までは明らかに宣告していなかった「牽制動作」であった。
あの動作に対して、毅然と「ボーク」を宣告した審判員の勇気に拍手を送りたい。
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