アウトセーフ !?
2007年8月27日先日テレビ番組で「欽ちゃん」こと萩本欽一氏が24時間マラソンを走った。現在の欽ちゃんといえば、「茨城ゴールデンゴールズ」の監督であり、野球のクラブチームを具現化した功績・影響は非常に大きい。大人の野球の救世主かもしれない。
その昔の欽ちゃんは、「ジローさん」こと坂上二郎氏と『コント55号』というお笑いコンビを組み、多くの冠番組を持っていたスーパースターであった。その笑いのセンスは、どこか温かく、ほのぼのとして懐かしさを感じるスタイルであり、老若男女の支持を得ていた。
そのような芸風のコント55号も、駆け出しの頃は当時としては破天荒なことをやっていた。
『やーきゅうするなら、こーゆーぐあいにしやしゃんせ。アウト・セーフ、よよいのよい』
一世を風靡した『野球拳』である。
お座敷芸であった『野球拳』は、ジャンケンをして、負けた方が衣服を一枚脱ぐという単純なゲームであるが、これを「アイドルスターvs坂上二郎」というシチュエーションでゴールデンタイムに放送したのである。少年であった私は、子供ながらに「ドキドキ、ワクワク」しながらテレビを観ていたのを憶えている。
審判のジャッジも「アウト・セーフ、よよいのよい」とジャンケンで決められればいいのだが、そうもいかないのが現実であり、タッグプレイがクロスプレイとなった場合は、球場全体の視線を集めている緊張感がたまらなく「快感」であり、それを知ったが為に審判にのめり込んだ方々も多いであろう。斯く言う私もご多分に漏れない一人である。
しかしこのクロスプレイ、特に本塁でのクロスプレイは「両刃の剣」である。ここでのミスジャッジは、審判の信用を著しく失墜させるのは勿論、自己嫌悪に陥るキッカケとなる。
タッグプレイの基本動作は、まずは「タッグプレイ」が見え易いポジショニングをすることである。
そしてタッグの瞬間を不動の姿勢で確実に見ることである。ここから「判定」によって、動作が大きく分かれる。その判定が『セーフ』の場合は、迷わずコールするが、『タイミングがセーフでない場合』はもうひとつの確認動作が必要となる。それは「タッグした後のボールの所在」である。野手がボールを完全確捕していることを確認する必要があるのである。ボールをお手玉していたら、「タイミングはアウトだが、タッグが不十分」として『セーフ』がコールされる。つまり、タイミングもタッグも捕球も、すべてが完璧で『アウト』が成立するのである。ゆえに『セーフは早く、アウトはゆっくり』が成り立つのである。
ここで最も間違いやすいのが、「思い込み」である。特に多いのが「タイミング的に明らかにアウト」のケースである。
送球と走者のスピードからはじき出される「予想」をすることは、ジャッジの予防措置としては必要ことであるが、それにより「思い込んでしまう」ことは問題である。このような場合、野手がタッグをする前に審判員の右手は強く握られていることが多く、タッグと同時に、またはタッグよりも多少早めに「He’s OUT!」とコールしてしまうのである。ここで、普通にプレイが終われば「注意」程度の話で終わるが、「落球」や「ノータッグ」が絡むとトラブルへと発展してしまう。
本塁でのクロスプレイで、捕手が落球しているのに『He’s OUT』とコールしてしまったことは、以前に披露したことがあった。誠に恥ずかしく、初心に戻された思いをした。
それ以来肝に銘じていたのだが、先日のオープン戦で大恥を掻くところであった。
走者三塁で、投手が悪送球し捕手が後逸したケース。三塁走者が猛然と突入してくる。ところが、捕手の動作が早く、本塁カバーに入った投手へ返球された時点で、走者はまだ滑り込んでもいない「タイミング」。
私は「タイミングはアウトだな」と思い込んだ。投手がグラブをホームベース上に置き、走者のスライディングを待っている。そこに、走者は猛然とスライディングをした。
一瞬、『タッグが甘いが、タイミングは明らかだ』と頭が巡り、右手が挙がりかけ、心の中で『He’s OUT』とコールしかけた。その瞬間、走者が『落球、落球』とアピールしたために、目が覚めた。
カバーに入った投手のグラブを確認しようとした時、白球がコロコロと転がっていた。
改めて、勉強されられたプレイであった。「まだまだな」と反省しきりである。
その昔の欽ちゃんは、「ジローさん」こと坂上二郎氏と『コント55号』というお笑いコンビを組み、多くの冠番組を持っていたスーパースターであった。その笑いのセンスは、どこか温かく、ほのぼのとして懐かしさを感じるスタイルであり、老若男女の支持を得ていた。
そのような芸風のコント55号も、駆け出しの頃は当時としては破天荒なことをやっていた。
『やーきゅうするなら、こーゆーぐあいにしやしゃんせ。アウト・セーフ、よよいのよい』
一世を風靡した『野球拳』である。
お座敷芸であった『野球拳』は、ジャンケンをして、負けた方が衣服を一枚脱ぐという単純なゲームであるが、これを「アイドルスターvs坂上二郎」というシチュエーションでゴールデンタイムに放送したのである。少年であった私は、子供ながらに「ドキドキ、ワクワク」しながらテレビを観ていたのを憶えている。
審判のジャッジも「アウト・セーフ、よよいのよい」とジャンケンで決められればいいのだが、そうもいかないのが現実であり、タッグプレイがクロスプレイとなった場合は、球場全体の視線を集めている緊張感がたまらなく「快感」であり、それを知ったが為に審判にのめり込んだ方々も多いであろう。斯く言う私もご多分に漏れない一人である。
しかしこのクロスプレイ、特に本塁でのクロスプレイは「両刃の剣」である。ここでのミスジャッジは、審判の信用を著しく失墜させるのは勿論、自己嫌悪に陥るキッカケとなる。
タッグプレイの基本動作は、まずは「タッグプレイ」が見え易いポジショニングをすることである。
そしてタッグの瞬間を不動の姿勢で確実に見ることである。ここから「判定」によって、動作が大きく分かれる。その判定が『セーフ』の場合は、迷わずコールするが、『タイミングがセーフでない場合』はもうひとつの確認動作が必要となる。それは「タッグした後のボールの所在」である。野手がボールを完全確捕していることを確認する必要があるのである。ボールをお手玉していたら、「タイミングはアウトだが、タッグが不十分」として『セーフ』がコールされる。つまり、タイミングもタッグも捕球も、すべてが完璧で『アウト』が成立するのである。ゆえに『セーフは早く、アウトはゆっくり』が成り立つのである。
ここで最も間違いやすいのが、「思い込み」である。特に多いのが「タイミング的に明らかにアウト」のケースである。
送球と走者のスピードからはじき出される「予想」をすることは、ジャッジの予防措置としては必要ことであるが、それにより「思い込んでしまう」ことは問題である。このような場合、野手がタッグをする前に審判員の右手は強く握られていることが多く、タッグと同時に、またはタッグよりも多少早めに「He’s OUT!」とコールしてしまうのである。ここで、普通にプレイが終われば「注意」程度の話で終わるが、「落球」や「ノータッグ」が絡むとトラブルへと発展してしまう。
本塁でのクロスプレイで、捕手が落球しているのに『He’s OUT』とコールしてしまったことは、以前に披露したことがあった。誠に恥ずかしく、初心に戻された思いをした。
それ以来肝に銘じていたのだが、先日のオープン戦で大恥を掻くところであった。
走者三塁で、投手が悪送球し捕手が後逸したケース。三塁走者が猛然と突入してくる。ところが、捕手の動作が早く、本塁カバーに入った投手へ返球された時点で、走者はまだ滑り込んでもいない「タイミング」。
私は「タイミングはアウトだな」と思い込んだ。投手がグラブをホームベース上に置き、走者のスライディングを待っている。そこに、走者は猛然とスライディングをした。
一瞬、『タッグが甘いが、タイミングは明らかだ』と頭が巡り、右手が挙がりかけ、心の中で『He’s OUT』とコールしかけた。その瞬間、走者が『落球、落球』とアピールしたために、目が覚めた。
カバーに入った投手のグラブを確認しようとした時、白球がコロコロと転がっていた。
改めて、勉強されられたプレイであった。「まだまだな」と反省しきりである。
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