あるトラブル
2007年7月30日WEBサイトの不調で、しばらく書き込みが出来ずにいました。ご迷惑をお掛けしました。
さて、息子の高校野球が終わった。本人はどのように思っているかは知らないが、小学校3年生から始めた野球生活に一区切りがついたように思う。9年間は長いようで、過ぎてしまえばあっという間であった。野球を続けたとしても、親元を離れてしまうため、もう真剣勝負を見ることは無いのかと思うと、本当に寂しい限りである。
そんな折、高校野球のある地方大会の準々決勝(ベスト8)でトラブルがあった。初めに言っておくが、私はプレイ自体を見ていない。あくまで聞いた話であることを前提に持論を述べることとする。
場面は、一死満塁。次打者がライトへ飛球を上げた。犠牲フライには十分の当たりで、三塁走者はタッグアップの体勢、二塁・一塁走者はハーフウェイで飛球の行方を追う。右翼手はこの飛球を捕球したかに見えたが、ボールは足許へ落ちていた。
三塁走者はタッグアップから本塁へ。二塁・一塁走者は、捕球したと思いハーフウェイからリタッチに戻る。
当事者である右翼手はボールを拾い、走者の進塁を防ぐために三塁へ送球。この送球を受けた三塁手はベースタッチし、二塁へ転送。二塁手もベースタッチした。
ここで、タイムが掛かり四氏審判員による協議に入った。
その協議内容は定かではないが、その後の「裁定」をみる限り、「右翼手は飛球を捕球したのか。ボールが落ちたのは送球動作に入ってからか。」ということであろうと思われる。
四氏審判員が下した「判定」は「右翼手の捕球は完全ではなく、落球した。ゆえに、二塁・一塁走者はダブルプレイでアウトとする。」であった。一度はスコアボードに記録されていた「得点1」が、「二塁・一塁の両走者はフォースの状態であるため、送球が三塁・二塁と転送されたことによりダブルプレイが成立する。ゆえに、三塁走者の得点は認めない」として取り消されてしまったのだ。
当然のように攻撃側チームは、この「裁定」に対する申し立てを行ったが、判定は覆ることはなかった。
試合の結果は、言わずもがなである。このような裁定で被害者となったチームは敗退するのが常であり、正にその通り、攻撃側チームは流れをつかめぬまま敗退してしまった。
審判員が協議をして「アウトにも見えるプレイをセーフにする」場合、走者がどこまで進塁できたかが問題となる。まして、今回のように外野の「インフィールドフライ」状態または「故意落球」状態では、攻撃側は断然不利である。走者はどのタイミングで次塁へ進んでよいか判断できない。
そして何より、このような状態になった最大の理由が、この飛球判定をするべき「一塁塁審がノーゼスチャー」であったことにある。
これはボーンヘッドと言ってよい「ノージャッジ」である。落球と判断したのであれば「ノーキャッチ」と叫びながら両手を広げるだろうし、捕球したと判断したのであれば「キャッチアウト」「He’s OUT!!」と叫びながら右手を力強く挙げれば良い。どうして、何のコールもゼスチャーも無かったのであろうか。考えられることは、角度が悪くてプレイが見えなかったためとしか思えない。ただし、審判員にも間違いや勘違いはある。それを是正するのが審判団の協議であろう。審判団には両者が満足し、片方が極端な不公平感を抱かずに済む「裁定」を下すチャンスはあったのである。
今回の場合は、あまりにも攻撃側に「不利な裁定」であった。
一塁審判のボーンヘッドが原因で、不利益が生じたのはどちらのチームであろうか。
「完全捕球」で打者アウトの場合は、タッグアップにより1点が入り、二死一二塁からの再開となる。この結果は守備側も攻撃側も、ライトフライが上がった瞬間に想定したものであり、どちらも大きな不利益を感じないであろう。
ところが「落球」としてしまったが為に、守備側は最大のピンチを凌ぎ、攻撃側は狐に摘まれたようにチャンスを逃したのである。
それでは「ノーキャッチ」と「落球」をコールした場合は、どのような結果になったであろう。ライトからの返球により、二塁上でフォースプレイは起こる可能性はあるが、ダブルプレイにはならなかったであろう。
逆に「キャッチアウト」と「完全捕球」をコールした場合は、まったく何も起こらなかったであろう。
審判団の協議は、実に難しい。協議をしなくてはならないようなプレイには、審判員個々の斟酌が影響する。同じプレイを同じ角度から見ていても、判断が分かれる場合もある。実際に四氏審判員は、まったく違う位置から違う距離感でプレイを見ているし、その瞬間に目を切っている場合さえもある。
この事例を聞いたとき、実際に当事者となった場合「私ならどうするであろう」と改めて考えさせられた。本当に両者が満足するような裁定を諮れるであろうか。最後には「競技者の不利益を取り除く裁定」よりも、当該プレイを「私には、こう見えた」が優先するような気がしてしまう。
「瞬時の判定」が「協議による裁定」になった場合の事例として、色々な方々にご意見を伺いたいと考えている。
さて、息子の高校野球が終わった。本人はどのように思っているかは知らないが、小学校3年生から始めた野球生活に一区切りがついたように思う。9年間は長いようで、過ぎてしまえばあっという間であった。野球を続けたとしても、親元を離れてしまうため、もう真剣勝負を見ることは無いのかと思うと、本当に寂しい限りである。
そんな折、高校野球のある地方大会の準々決勝(ベスト8)でトラブルがあった。初めに言っておくが、私はプレイ自体を見ていない。あくまで聞いた話であることを前提に持論を述べることとする。
場面は、一死満塁。次打者がライトへ飛球を上げた。犠牲フライには十分の当たりで、三塁走者はタッグアップの体勢、二塁・一塁走者はハーフウェイで飛球の行方を追う。右翼手はこの飛球を捕球したかに見えたが、ボールは足許へ落ちていた。
三塁走者はタッグアップから本塁へ。二塁・一塁走者は、捕球したと思いハーフウェイからリタッチに戻る。
当事者である右翼手はボールを拾い、走者の進塁を防ぐために三塁へ送球。この送球を受けた三塁手はベースタッチし、二塁へ転送。二塁手もベースタッチした。
ここで、タイムが掛かり四氏審判員による協議に入った。
その協議内容は定かではないが、その後の「裁定」をみる限り、「右翼手は飛球を捕球したのか。ボールが落ちたのは送球動作に入ってからか。」ということであろうと思われる。
四氏審判員が下した「判定」は「右翼手の捕球は完全ではなく、落球した。ゆえに、二塁・一塁走者はダブルプレイでアウトとする。」であった。一度はスコアボードに記録されていた「得点1」が、「二塁・一塁の両走者はフォースの状態であるため、送球が三塁・二塁と転送されたことによりダブルプレイが成立する。ゆえに、三塁走者の得点は認めない」として取り消されてしまったのだ。
当然のように攻撃側チームは、この「裁定」に対する申し立てを行ったが、判定は覆ることはなかった。
試合の結果は、言わずもがなである。このような裁定で被害者となったチームは敗退するのが常であり、正にその通り、攻撃側チームは流れをつかめぬまま敗退してしまった。
審判員が協議をして「アウトにも見えるプレイをセーフにする」場合、走者がどこまで進塁できたかが問題となる。まして、今回のように外野の「インフィールドフライ」状態または「故意落球」状態では、攻撃側は断然不利である。走者はどのタイミングで次塁へ進んでよいか判断できない。
そして何より、このような状態になった最大の理由が、この飛球判定をするべき「一塁塁審がノーゼスチャー」であったことにある。
これはボーンヘッドと言ってよい「ノージャッジ」である。落球と判断したのであれば「ノーキャッチ」と叫びながら両手を広げるだろうし、捕球したと判断したのであれば「キャッチアウト」「He’s OUT!!」と叫びながら右手を力強く挙げれば良い。どうして、何のコールもゼスチャーも無かったのであろうか。考えられることは、角度が悪くてプレイが見えなかったためとしか思えない。ただし、審判員にも間違いや勘違いはある。それを是正するのが審判団の協議であろう。審判団には両者が満足し、片方が極端な不公平感を抱かずに済む「裁定」を下すチャンスはあったのである。
今回の場合は、あまりにも攻撃側に「不利な裁定」であった。
一塁審判のボーンヘッドが原因で、不利益が生じたのはどちらのチームであろうか。
「完全捕球」で打者アウトの場合は、タッグアップにより1点が入り、二死一二塁からの再開となる。この結果は守備側も攻撃側も、ライトフライが上がった瞬間に想定したものであり、どちらも大きな不利益を感じないであろう。
ところが「落球」としてしまったが為に、守備側は最大のピンチを凌ぎ、攻撃側は狐に摘まれたようにチャンスを逃したのである。
それでは「ノーキャッチ」と「落球」をコールした場合は、どのような結果になったであろう。ライトからの返球により、二塁上でフォースプレイは起こる可能性はあるが、ダブルプレイにはならなかったであろう。
逆に「キャッチアウト」と「完全捕球」をコールした場合は、まったく何も起こらなかったであろう。
審判団の協議は、実に難しい。協議をしなくてはならないようなプレイには、審判員個々の斟酌が影響する。同じプレイを同じ角度から見ていても、判断が分かれる場合もある。実際に四氏審判員は、まったく違う位置から違う距離感でプレイを見ているし、その瞬間に目を切っている場合さえもある。
この事例を聞いたとき、実際に当事者となった場合「私ならどうするであろう」と改めて考えさせられた。本当に両者が満足するような裁定を諮れるであろうか。最後には「競技者の不利益を取り除く裁定」よりも、当該プレイを「私には、こう見えた」が優先するような気がしてしまう。
「瞬時の判定」が「協議による裁定」になった場合の事例として、色々な方々にご意見を伺いたいと考えている。
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