人の振り見て

2007年6月29日
今日観戦した高校野球はお粗末であった。とても甲子園を掛けた戦いのジャッジとは言えない。一般の方々にとっては、別にどうと言う事はないかもしれないが、審判を経験してしまい「ルールに厳しくあれ」と説いている私にとしては、非常に不満である。
選手達に聞いてみると、「あの投手の牽制球は要注意ですね」という答えが返ってきた。どうして「あの投手の牽制球は良いのですか」という問い返しがないのかガッカリである。
私の答えは明確で、「あんな牽制球が許される自体おかしい。全部ボークだよ」と答えた。
北海道の高校野球の審判員は、総じて高校の先生方が多いようであるが、もう一度ルールブックを熟読して頂きたい。ただ読むだけではダメであるのは当然で、理解をして頂きたい。ボークルールの原点はなんなのか。審判員のジャッジの拠り所はなんなのか。見ていないの「セーフ」や「アウト」は言えないであろう。とくに「アウト」は確実に見ていないとジャッジしてはいけないのが常識である。
本日の試合中にあったボークを列挙すると、以下のとおりである。
?右投手が、投手板を踏んだまま一塁に牽制しようとして動作を止めた。つまり、一塁への偽投である。これは、一度ならず三度以上はあった。
?右投手のツイストターンによる牽制球。これは両チームの投手が行っており、いわゆる「無し無し」なのか。この牽制球に引っかかり流れが変わった。
?右投手の一塁への牽制球で、踏み込みが不十分であった。これは、一塁・三塁の審判員は分からない。明らかに、主審と二塁塁審の判断なのであろう。あれが良ければ、走者は盗塁できない。
?右投手が一塁へ牽制する際に、投手板を外す動きをしたが、外した方向が投手板の後ろではなく、横方向であった。これは、多くのプロ野球の投手が行い許容されているが、アマチュアでは禁止されている行為である。
?もっとも情けないボーク見逃しが、投手板を踏んだ投手が、サインを見てから帽子のつばに手をやり帽子を被り直した。こんな初歩的なボークを見逃すのであるから、前段の4項目は仕方がないかなと納得してしまった。
本日の試合は、「ボークは見逃そう」と決めていたようにさえ映った。
学生野球の原点でもある高校野球の、3年生にとっては最後の夏である。
「審判の怠慢によるジャッジで負けた、ずるい奴が勝つ」などと思わせないためにも、勇気あるジャッジをお願いしたい。

私は、一発でボークを取ろうとして、いつも失敗(取れないでいた)していた。ある時から、「一回目は見逃そう、でも二度目は許さない」というスタンスに変えたところ、面白いようにボークが見れるようになった。あとは試合の流れなど考えずに、素直に見たままをジャッジすればいいのである。
かく言う私も、先日チョンボをやってしまった。自分で見たはずのタッチアップを、他の塁審に振るところであった。途中で気付き、照れながらジャッジをした。
審判をやっていると、集中しすぎて見えなくなることもある。ある程度、客観的に見る姿勢を見に付ける事が良いのであろうが、ナカナカそれが出来ない。
高校野球夏季大会は、一回戦と言えど真剣勝負である。
心労、ご苦労は十分理解するが、勇気を持ち毅然たる態度でルールを適用して頂きたいと切に願う。

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