波乱含み

2007年6月29日
今年のシニアは波乱含みを呈している。昨年の新人戦と今年の春季大会を見た印象では、地方のチームに勢いを感じていたが、日本選手権は正にその通りとなっている。シードされている4チームのうち2チームが初戦敗退の憂き目にあった。波乱含みの戦国時代である。札幌のチームが最終日に残れないケースも十分に考えられる。
そんな中、注目されている選手が何人かいる。皆怪我無く中学シニアを終えて、次のステップに進んで欲しいものであるが、実際にはすでに障害の影が蝕んでいる選手もいる。本人は異変に気付いているのであろうし、もちろん両親や指導者も気付いていると思われる。何度も会うことのない審判員が、「あの選手の投げ方変だね」とか「あの選手、やけに腰を気にするね」などと感じるのであるから、本人は元より身近な大人は気付いていないはずがない。もしも、気付いていないのであれば、よほどの鈍感か、子供の身体を何とも思っていないかのどちらかである。
野球の障害を甘く見ていると、スポーツは愚か日常生活にも支障をきたす事となる。ちょっと「肘が痛い」とか、「腰が重い」などという段階で医者の診断を受け、治療(通常は休養ですんでしまう)を行えば早期復帰となるものを、「もうちょっと」と我慢させて重症となるケースを沢山知っている。そこには、関係者の甘い判断や無知が介在している場合がほとんどである。子供たちは無知で致し方ないにしても、周囲の大人が無知では困る。頭にボールが当たれば、救急車を呼んで病院に向かうのに、肘が痛くてボールが投げられない場合は「ちょっと休め」で終わってしまう。どうして、診断をしないのか。誰が「大丈夫」と分かり、判断できるのか。私は判断出来ないから、医者に行くことを勧めている。
トレーニングの基本に、多少過度な負荷を与えることで選手のポテンシャルを伸ばす法則がある。法則という言葉を聞くと数学を思い出して難しそうに感じるであろうが、要は実力のちょっと先に目標を置いて頑張るということである。このことと、「多少無理をさせる」ことは大きな違いがある。本人が「痛い」「違和感がある」と言っているのに、「そんなことはないだろう」とプレイさせる指導者は「死導者」であると言えるだろう。
そういうことを考えると、才ある選手は早期敗退も悪くはない気がしてくる。実際には、そんな邪念を抱いて試合には挑んでいないであろうが。
波乱含みの戦国になればなるほど、障害発生率が上がるように感じるのだが、そうならないことを祈りつつ、ジャッジに励もう。

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