緊迫と緊張
2007年6月25日中学シニアの日本選手権は、高校野球の夏の甲子園を目指す大会と同じである。試合内容は緊迫した場面が多く、選手はもとより審判の緊張感は春の大会などは比較にならない。一つのプレイで優劣が逆転する。ということは、一つのジャッジで流れが大きく変わるという事である。
あるベテラン審判員は、それが故に「我はルールブック」というようなジャッジは控えた方が良く、「審判員は進行係に徹するべき」と説く。
一方、違うベテラン審判員は、「試合の流れを作るのは選手やベンチであり、審判員ではない」、それ故に「目の前のプレイを丁寧にジャッジすることに徹するべき」と説く。
どちらも、正しいように思うが、その境地には達する事ができていない。結局は、緊張感のある緊迫した試合での経験、場数の差なのであろう。
それは球審でも塁審でも同じである。
球審は、一球・一球に集中しジャッジする必要があり、全体のプレイの補佐をするなどの重責がある。
塁審は楽かというと、そんなことはない。何時来るか分からないカバーリングに徹していなければ、ポッカリと塁を空けてしまったりする。スコアリングポジションに走者がいる時などは、球審は本塁にステイ(動けない状態)となるため、3つの塁を2名の塁審でカバーしなければならない。
今年もこんなケースがあった。2塁塁審が中にいるケースで、センター方向に飛球が飛び、1・3塁の塁審が同時に走り出してしまったこともあった。ある程度の経験者になると、どちらかが気付いて戻ってこれるのだが、経験の浅い審判員同士だと、ダブルジャッジになるまで気付かないこともある。そうなると、残された2塁塁審は3つの塁をカバーしなくてはならなくなる。こうなると、ポジショニング云々などどうでも良くなる。とにかく、走者の走る速度を想定しながら右往左往することとなる。そこで、最後に塁上のタッグプレイなどが起きると、かなり離れた位置からジャッジせざる得なくなり、「説得力に欠ける判定」となる。
昨日の試合では、私が独りよがりの動きをしたために、クルー全体に迷惑を掛けてしまった。他の塁審は大ベテランだったために、「気にするな」と言ってくれたが、「いつまでも成長しない」自分自身に腹が立った。
場面は2死満塁で4番打者。2死ゆえに内野手は通常の守備位置のため、2塁塁審の私はダイヤモンド内にポジショニング。4番打者の打った打球はレフトオーバーの大きな当たり。当然3塁塁審が打球を追ったため、私は三遊間のマウンド寄りへ動いた。これが混乱の始まり。その位置で、二塁と三塁の触塁を確かめるべく、頭は右往左往した。併せて外野からの返球もあるから、それも確認しなくてはならない。
結局、走者一掃の2塁打となったため、3塁と2塁には各二人の走者が通過または到達した。それをマウンド付近で右往左往しながら確認していた。外野からの返球は2塁へ返って来たが、もしもバックホームされていたならば、私のポジショニングは非常に邪魔な位置であった。さらに、返球を一瞬でも見逃していたならば、「審判員による守備妨害」などというリスクが生じていたかもしれない。
このプレイのあとで、大ベテランから「きつい忠告」を受けたが、それも期待の表れと感謝している。
それにしても、もう一度勉強しなおさなければと強く思ったケーススタディであった。
選手諸君にとっての大一番で、「ミスジャッジ」にこそならなかったが、「ニアミス」を起こしていたことは猛省すべき事である。
あるベテラン審判員は、それが故に「我はルールブック」というようなジャッジは控えた方が良く、「審判員は進行係に徹するべき」と説く。
一方、違うベテラン審判員は、「試合の流れを作るのは選手やベンチであり、審判員ではない」、それ故に「目の前のプレイを丁寧にジャッジすることに徹するべき」と説く。
どちらも、正しいように思うが、その境地には達する事ができていない。結局は、緊張感のある緊迫した試合での経験、場数の差なのであろう。
それは球審でも塁審でも同じである。
球審は、一球・一球に集中しジャッジする必要があり、全体のプレイの補佐をするなどの重責がある。
塁審は楽かというと、そんなことはない。何時来るか分からないカバーリングに徹していなければ、ポッカリと塁を空けてしまったりする。スコアリングポジションに走者がいる時などは、球審は本塁にステイ(動けない状態)となるため、3つの塁を2名の塁審でカバーしなければならない。
今年もこんなケースがあった。2塁塁審が中にいるケースで、センター方向に飛球が飛び、1・3塁の塁審が同時に走り出してしまったこともあった。ある程度の経験者になると、どちらかが気付いて戻ってこれるのだが、経験の浅い審判員同士だと、ダブルジャッジになるまで気付かないこともある。そうなると、残された2塁塁審は3つの塁をカバーしなくてはならなくなる。こうなると、ポジショニング云々などどうでも良くなる。とにかく、走者の走る速度を想定しながら右往左往することとなる。そこで、最後に塁上のタッグプレイなどが起きると、かなり離れた位置からジャッジせざる得なくなり、「説得力に欠ける判定」となる。
昨日の試合では、私が独りよがりの動きをしたために、クルー全体に迷惑を掛けてしまった。他の塁審は大ベテランだったために、「気にするな」と言ってくれたが、「いつまでも成長しない」自分自身に腹が立った。
場面は2死満塁で4番打者。2死ゆえに内野手は通常の守備位置のため、2塁塁審の私はダイヤモンド内にポジショニング。4番打者の打った打球はレフトオーバーの大きな当たり。当然3塁塁審が打球を追ったため、私は三遊間のマウンド寄りへ動いた。これが混乱の始まり。その位置で、二塁と三塁の触塁を確かめるべく、頭は右往左往した。併せて外野からの返球もあるから、それも確認しなくてはならない。
結局、走者一掃の2塁打となったため、3塁と2塁には各二人の走者が通過または到達した。それをマウンド付近で右往左往しながら確認していた。外野からの返球は2塁へ返って来たが、もしもバックホームされていたならば、私のポジショニングは非常に邪魔な位置であった。さらに、返球を一瞬でも見逃していたならば、「審判員による守備妨害」などというリスクが生じていたかもしれない。
このプレイのあとで、大ベテランから「きつい忠告」を受けたが、それも期待の表れと感謝している。
それにしても、もう一度勉強しなおさなければと強く思ったケーススタディであった。
選手諸君にとっての大一番で、「ミスジャッジ」にこそならなかったが、「ニアミス」を起こしていたことは猛省すべき事である。
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