日本選手権の一回戦で、我チームは敗退してしまった。短い夏であったが、この敗戦にも意味はあった。春のリーグ戦で手探りであったチームの一体感が、初めて感じることの出来た試合であった。内容に対する感じ方やご意見は多々あろうが、グラウンド・ダグアウト・スタンドのすべての選手達、そして指導者・父母・OBなど、すべての人々の思いが凝縮した試合であった。昨年の秋から新チームとなり、現在に至るまでで初めて感じた感覚である。ある意味、このチームは今日がスタートなのかもしれない。中学シニア野球のチームは、毎年主力選手が変わる。同じ選手は誰一人としていない。タイプ分けは出来たとしても、やはり個々人の技量・性格・目的が違う。中学シニアで野球のイロハを学ぼうと思う選手もいれば、高いレベルを求める者もいる。それらの集合体がチームであるが、我チームの持ち味はそれらの異なる個性を活かしてゲームを進める所にあるのであろう。
要は、チームとしての一つの目標を定め、違う個性が、違う方向から、それに突き進む姿勢さえ得られれば良いのであろう。
今日の試合を観戦して、一番感じた事は、違う方向性を持った選手達が、「一つの勝利」のために一体となれたことが大きな収穫であったと感じた。
中学シニアのチームに携わっている一員として、この目標を達成できた選手諸君には感謝したい。
3年生諸君は、全国への道が閉ざされてしまったが、ここからがもう一つ・もう二つとステップアップするための大切な最終章である。今日は悔しく・情けない思いが強いであろうが、明日からは頭の切り替えに努めてもらいたい。ようやく、選手諸君が作り上げたチームの方向性が見えてきたのである。是非とも、この方向性を明確にした上で、力強さを加えてもらいたい。
2年生諸君は、先輩たちの戦いから学ぶことが多いはずである。それを良い教本としても良いし、反面教師としても良い。それを感じ、消化して、秋からのチーム作りの基礎としてもらいたい。そして、残された3年生とのわずかな時間を大切にし、チームとは何か、野球とは何かを考えてもらいたい。そして、一人でも多くのチームリーダーが台頭してくるのを期待している。もう、遠慮はいらない。準備を十分にしなければ、主役の座が開いた時に出遅れてしまう。もっと底上げを意識してもらいたい。
1年生諸君には、スタンドからの力強い応援ありがとうと言いたい。毎年の事ではあるが、最初は照れくさかった応援も、試合が進むにつれて一体感を感じる事ができたと思う。それを出来なかった選手は、試合への思い入れが弱いと感じるべきであるし、泣きたくなるほど悔しい選手は、その感情を忘れずにいてもらいたい。それらが、明日の君達の成長量の道しるべとなるのである。是非ととも、悔しい思いをエネルギーに変えて頑張ってもらいたい。もう、君達はお客さんではない。立派なチームの一員である。それが、今日証明されたのだと思う。
我チームの選手諸君、明日から再スタートである。幸いに、次の大会までは時間がある。3年生を中心に、もう一度チームを見詰め直し、「本当の勝利」を得るために実のある精進をしてもらいたい。
君達に、下を向いている時間はない。前をしっかり見て、前進することを考えてもらいたい。

コメント

nophoto
シニア
2007年6月24日0:01

うちも初戦敗退でした。気合を入れていた応援団としては、“こんなはずでは・・・・”状態で、子どもの気持ちを受け入れるまで時間がかかりました。指導者も選手も精一杯やった結果なのですからね。仕方がないですね。
 今日の試合で気になったことがあります。明らかなセカンドゲッツーの場面で、1塁ランナーは2塁ベースからライトぎみにずれていた遊撃手の足元を目がけてスライディングし、ひるんだ遊撃手は1塁送球ができませんでした。1・2塁線上側に陣取っていた私たちには、明らかな守備妨害と映ったのですが、審判からはノーコール、こちらサイドからも抗議はなし、後で指導陣にその件を聞いたら“それはあたりまえ"との答えでした。それを乗り越えて、そのランナーを踏んででも送球することが、いい野手であると。子どもに聞いても、同じ了見です。自分は相手を踏んでまでも投げられなかったと。技術が未熟な言い訳もありますが。
 いつもこのブログを読ませてもらっている私としては、納得ができません。このような場面で、「守備妨害!」を審判がとってくれれば、このようなプレーは減っていくように思うのですが。卑怯な行為は許されないと、それが野球を知っている・うまいイコールではないんだと。
 ファウルボールさんなら、どうなさいましたか?
 

ファウルボール
ファウルボール
2007年6月24日17:55

シニアさんへ
コメントありがとうござます。春の大会は勝敗に関わらず、次の試合がありますが、夏は敗戦の時点で「終わり」という厳しい現実があります。これを受け止めるには、時間が必要ですよね。今までの経験ですと、子供達より父兄の方がショックが大きいようです。心中お察しいたします。ちなみに、我愚息の夏もチームは初戦敗退であり、息子は修学旅行で試合に出れずとダブルショックでしたが、その後の大会で3位を勝ち取りました。出来るだけ早く頭を切り替えて、次の目標をめざされる事をお勧めいたします。
さてコメントの内容のような場面ですが、ルールブックには次のように書かれています。
【7.09(f)】走者が、明らかに併殺を行わせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告すると共に、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。
つまり、シニアさんのコメントのような場合は、明らかに走者および打者走者をアウトとするべきです。
昨年の日本ハムとソフトバンクのプレイオフでは、ソフトバンクの走者が併殺を阻むために、二塁のピボットマンに対して猛烈なスライディングをして転倒させたプレイに対し、審判員はインターフェア(守備妨害)を宣告し、打者走者もアウトにしたケースがありました。そのスライディングはベースに向かって行ったのですが、非常に危険なプレイであるとの判断もあったのだと思います。その辺りは、ルールブックに次のような記述があります。
【6.05(m)原注(原注はアメリカのルールブックの元本に書かれている注意事項です)】この規則(前位の走者による故意の妨害)は攻撃側プレーヤーによる許しがたい非スポーツマン的な行為に対するペナルティとして定められたものであって、走者が塁を得ようとしないで、併殺プレイのピボットマンを妨害する目的で、明らかにベースラインからはずれて走るような場合適用されるものである。
つまり、このようなプレイをする選手は「野球をやる」以前に、「スポーツをやる」資格がないという事です。
中学シニア野球では、ややもすると勝負優先となってしまい、スポーツマンとしてのモラルが欠如していることが目に付きます。
シニアさんのコメントのケースでは、審判員のコールが無かった事は、同じ審判員として反省材料ではあり、肝に銘じるところですが、それよりも重症なのは指導者の考え方だと思い、憤りさえ感じます。どうして、「そのような汚いプレイは、我チームでは教えていない」と言えないのでしょうか。
他チームの事でもあり、これ以上の意見は差し控えますが、いつも読んで頂いているシニアさんなら、分かって頂けると思います。
私たち審判員が「妨害」を叫ばなくても良い様な、爽やかな闘いを期待しています。

nophoto
実はシニアっこの母でした
2007年6月25日21:43

 ご返答ありがとうございました。スッキリしました。
ただ、日本の中で行われている野球の現状を思うと、イチロークラスの選手になれてはじめて「自分はフェアプレーでいきます」と言えることかなあと思います。もちろん、誰でもそういえることができればいいのは言うまでもありませんが。
 アドバイスのとおり、次に向けて、親子共々切り替えて進んでいきます。(子どもはとっくに切り替わっていますが・・)
 

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