昨日の続編。
今回の「インターフェア(守備妨害)」は、非常に変わったケースであった。走者1塁の場面で、打者がバントをした。ボールは一塁線を転々と転がり、やがてファウルゾーンへ。一塁手が捕球体勢で待っている。「野手が触れるか、ファウルゾーンで留まるか」まで「ファウル」のコールを待ちボールの行方を凝視。そこへ打者走者が走り込み、こともあろうか打球に足が触れた。攻撃側は「ファウルだ、戻れ」と叫んでいる。私は「これって良いのか。良い訳ないよな」と心の中で反芻し、「インターフェア、タイム、バッターアウト」と宣告した。打者も攻撃側のダッグアウトも呆気に取られている。「何故、妨害なの」。私は「打者走者が打球の方向を変えた行為」と説明し、「フェア・ファウルに関わらず、打球方向を故意に変えたとして、インターフェアとします」と付け加えた。ここで問題となるのが「故意」の有無であろう。このケースでは野手が守備体勢にあることと、打者走者は「守備優先」の原則からそれを避けるべきことから、打者走者の足に打球が当たること自体が「不注意」または「故意」と判断した。あるベテラン審判員に、このケースの判断の是非を確認したところ「非常に珍しいケースに遭遇したね」と感心され、判断は「OK」と言われてホッとしている。
一昨日あった「オブストラクション(走塁妨害)」は、結構ありそうで見逃されているかもしれないケースであった。2塁ベース上であった走塁妨害を2塁塁審が見逃したため、球審の私がマウンド付近まで「オブストラクション、オブストラクション」と叫びながらしゃしゃり出て行った。走者1塁の場面、打者が左翼線に飛球を打ち上げた。打球はサード後方ライン寄りにポトリと落ちる。その打球とレフトの動きに合わせるように、一塁走者はハーフウェイから徐々に2塁方向へ近づいていた。この時、守備側も攻撃側も打球の行方に注目していた状態であり、2塁ベースの3塁側にはセカンドベースマンがベースカバーで立っていた。この状況で、打球が落ちた次の瞬間に一塁走者は2塁ベースを回り、まだ打球方向を見ているセカンドベースマンと接触した。ボールを持たない野手と走者の接触である。走者は、この接触にもめげずに進塁を試みたが、3塁手前で憤死。ここで「タイム、オブストラクション、1塁走者は3塁へ、打者走者は2塁へ」と処理した。守備側チームの監督は「おい、本当にぶつかったのか」と野手を怒鳴る。私はハッキリと「2塁手と走者の接触を見ました。明らかな走塁妨害です」と伝え、監督は渋渋納得。さて、あのようなオブストラクションはきっと良くあるのだろう。長打コースに行った打球に気をとられる一塁手と、2塁を伺う打者走者などの接触は、きっと多いのだろう。あとは、本塁上の捕手のオブストラクション。本塁上のコンタクトプレイは、得点・失点に絡むだけに激しくなる。捕手のポジショニングを、どこまで許容(立ち位置)するか、どの時点(走路上に立てる条件)まで許容するか。この辺りは、非常に難しい。
今年は、シーズンインから色々な場面に出くわすので、楽しみながらも十分注意して臨まなければならないように気を引締め直す必要がありそうだ。

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